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防音ラボColumn

2023.07.14

自宅でアップライトピアノを演奏する際の防音対策

自宅でのピアノ演奏は、周囲に音が響き渡り近隣の迷惑につながる可能性があるため防音対策が必須です。

今回は「アップライトピアノ」に焦点を当て、グランドピアノとの主な違いや、住環境ごとの注意点、ピアノに施す防音対策・防音グッズをご紹介します。
ピアノ演奏をより快適に、そして周囲との良好な関係を維持するために是非参考にしてみてください。

グランドピアノとアップライトピアノの違い

ピアノは、形状やサイズ、音響特性によっていくつか種類があり、その中でも特に代表的なのがグランドピアノとアップライトピアノです。
ここでは、これら2つのピアノの主な違いについて説明します。

・形状とサイズ
グランドピアノは、その名が示すように「大きい」ピアノで水平に広がる形状が特徴です。
その長さは、1.5メートルから3メートル以上と大きく、特に演奏者の前方に広がる響板の大きさが音質に影響を与えます。

一方、アップライトピアノは「立っている」ピアノとも言え、弦が直立した状態で配置されています。
そのため、グランドピアノに比べて省スペースで、部屋の角や壁際に設置することが可能です。

・音色と演奏性
グランドピアノは響板の広がりと長い弦により、豊かで深みのある音色と広いダイナミックレンジを持つことが特徴です。
また、ハンマーが自然な重力で弦を打つため、リピート(連打)がしやすく、表現力豊かな演奏が可能です。

一方、アップライトピアノは配置の都合上、弦とハンマーの構造がグランドピアノと異なります。
音の深みや豊かさは多少劣りますが、家庭での使用や初心者には十分な音質と演奏性を備えています。

・価格
一般的に、グランドピアノはその大きさと優れた音響特性から、アップライトピアノに比べて高価です。
アップライトピアノはそのコンパクトさと手頃な価格から、家庭や教育の場で広く利用されています。

グランドピアノかアップライトピアノのどちらを選ぶかは、生活スタイル、スペース、予算、そして演奏目的によります。
初心者や趣味で弾きたい方にはアップライトピアノがおすすめです。

自宅でのピアノ演奏に必要となる防音対策

ピアノの音色は魅力的である一方、大音量のため音漏れによる近隣への騒音問題が生じる可能性があります。
そのため、自宅でピアノを弾く際には音が近隣に漏れないよう配慮する必要があります。

・マンションでの防音対策
マンションでの防音対策は、特に壁や床、天井からの音漏れを防ぐことが重要となります。
まずピアノの下に防音マットを敷くことで、振動を吸収し、下階への音の伝達を防ぎます。
さらに、防音カーペットを部屋全体に敷くことで効果を高めることが可能です。

また、壁面に防音パネルを取り付けるという手段もあり、これは特に隣人との壁に効果的で音漏れを抑制します。

・一戸建てでの防音対策
一戸建ての場合は、特に深夜や早朝の演奏に配慮が必要です。
防音対策としては、部屋の内装材を変えるなど大掛かりな改装が有効ですが、それに伴うコストが問題となる場合があります。

比較的手軽な対策としては、やはり防音パネルや防音カーペットの使用が効果的で、ドアや窓の防音対策も重要です。
特にドアは音漏れの主な原因となるため、防音ドアに交換するなどの対策を検討してみてください。
窓は防音性能の良いインナーサッシを追加して二重窓にする対策もあります。 

そして本格的な防音対策を考えるなら、防音室の設置が最も効果的です。
防音室は完全に独立した空間を作るため、演奏時の音を完全に遮断することができますが、設置には費用とスペースが必要となりますので、慎重に検討しましょう。

ピアノに施す防音対策も

・マフラーペダルの利用
ピアノに備わっているマフラーペダル(または練習ペダル)は、演奏音量を大幅に抑えることができます。
このペダルを踏むと、ハンマーと弦の間に布が挟まれ、弦が直接打たれることなく音量を抑制します。
ただし、音色やタッチが変わるため、家庭での練習時のみの利用が推奨されます。

・防音ボードの利用
アップライトピアノには専用の防音ボード、防音パネルがあり、ピアノの背面に設置することで音の拡散を防ぎます。
この防音ボードはピアノの振動を吸収し、壁を通じての音の伝播を防ぐ働きがあります。
多くの防音ボードは移動や取り付けが容易で、見た目もスタイリッシュなものが充実しているので、インテリアの一部としても違和感なく使用できます。

・消音ユニットの取り付け
消音ユニットは、アップライトピアノをデジタルピアノのように使用できる装置で、ピアノの音を電子音に変えるものになります。
これを使用することで心置きなく練習することができます。後付けが可能なため、応用が効きます。

必要な対策は住環境やピアノの種類、使用状況によって異なるため、一つの方法だけに頼らず、多角的に防音対策を行いましょう。

防音に役立つその他のグッズも活用しよう

・床対策用:インシュレーター
ピアノ演奏時に床を通じて音が伝わるのを防ぐためには、ピアノと床の間にあるインシュレーターの変更が有効です。
プラスチックや木製のものが多いですが、ゴム製のものに変えると振動を吸収し、伝達を抑えて部屋や建物全体へ音が漏れるのを軽減できます。

・壁対策用:防音パネル
壁からの音の反射を抑えるための防音パネルは、音響改善と防音の二つの役割を果たします。
多種多様なデザインとサイズがあり、内装に合わせて選ぶことができます。
パネルの種類によって音響が変わるため、導入前に試せる場合は店頭などでテストしてみて下さい。

・窓対策用:二重サッシ
窓は防音上の大きな弱点となりやすい箇所ですが、二重サッシにすることで、窓からの音の出入りを軽減することができます。
また窓用の防音パネルは、窓の形状に合わせて設置することができ、取り外しも容易なため、必要な時にのみ設置することも可能です。

・換気扇や天井への防音対策も忘れずに
防音対策の中で忘れてしまいがちなのが、換気扇や天井からの音漏れです。
換気扇は専用の防音カバーを設置することで音漏れを防ぎ、天井は吸音パネルを利用することで、上階への音漏れを軽減することができます。

どの対策も音漏れを完全に防ぐわけではありませんが、これらの組み合わせにより効果的に音漏れを抑えることが可能です。
住環境を考慮しながら最適な防音対策を取り入れて、ストレスフリーなピアノライフを楽しみましょう。

ピアノ演奏における防音室の導入について

上記で少し触れた防音室は高い防音効果を発揮しますが、その設置にはいくつかの条件があります。
まず、防音室自体のサイズはピアノの大きさに加えて余裕を持ったスペースが必要です。
また、適切な換気設備も必須で、ピアノの調和を保つためには適切な温度と湿度も維持することが重要です。

さらに、防音室の設置は費用がかかりますので、予算も考慮する必要があります。

アップライトピアノ専用吸音パネルもおすすめ!

ピアノの防音対策には、アップライトピアノ専用の吸音パネルというものも存在します。

パネルが自立型のタイプであれば響板をふさがないため、湿気がピアノ内部にこもることを防ぎ、カビの発生を防ぐだけでなく埃の蓄積も防ぎます。
また、響板にはめ込む必要がないタイプは、使わないときはパネルを畳んで置いておくことができるため、使用時以外の邪魔になることがありません。

ピアノのメンテナンスや掃除を行うとき、またはパネルなしで音を楽しみたいときには簡単に撤去しておけます。
防音室の導入は難しいという方におすすめの防音グッズです。

防音対策をしてアップライトピアノの演奏を楽しもう!

ピアノを自宅で楽しむためには、適切な防音対策が不可欠です。
それぞれの住環境に応じた適切な防音対策を施すことで、ピアノ演奏による騒音問題を最小限に抑えることが可能です。
自由にピアノを演奏する楽しさを堪能し、さらに周囲に迷惑をかけないよう、自分だけの音楽空間を作り上げましょう。

宮地楽器が提供する吸音・消音性抜群の簡易防音室・防音パネルブランド「VERY-Q(ベリーク)」は楽器演奏などを楽しむ多くの方々に導入していただいている実績を活かし、防音対策の新たな形をご提案しております。
アップライトピアノ用吸音パネルなど、防音対策に便利な製品を多数扱っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

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