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防音ラボColumn

2023.12.18

低周波騒音とは? 原因と対策について

研究室や実験室、病院といった施設では、医療機器などから発せられる「低周波音」を防ぐ騒音対策が行われることがあります。
低周波音はこうした施設に設置される機械のみならず、例えば換気扇や給湯器、冷蔵庫といった身近なものも発生源となっており、騒音による健康被害や近隣トラブルにつながることもあるため注意が必要です。

そこで今回は、低周波騒音の原因や対策について分かりやすく解説します。

身近に存在する低周波騒音とは?

人間が耳で聞き取れる音の周波数範囲は、約20Hz(ヘルツ)から2万Hzまでのあいだといわれており、そのうち約100Hz以下の音が「低周波音」と呼ばれています。また耳では聞き取れない約20Hz以下の音のことを「超低周波音」と呼びます。
低周波音は私たちの身近に存在し、例えばバスやトラックのエンジン音、滝の水が滝壺に落ちる音、波が防波堤に当たる音などに多く含まれています。
耳は音の周波数が低くなるほど感度が鈍くなる傾向があるため、人によって音の聞こえ方や感じ方に大きな違いがあります。
なお音楽や映画観賞などの際にスピーカーから聞こえる音声に深みを出す「重低音」は、低周波音を利用しています。

そして耳触りな高音域の騒音と比較しても聞こえにくい、もしくは聞こえないのが「低周波騒音」の特徴ですが、何も聞こえないからといって問題がないというわけではありません。
気づかないうちに心身に不快感や圧迫感を感じさせるほか、建物や家具の振動といった影響を与えていることがあります。

低周波音によるトラブルでよくみられるケースが、住宅地の近隣にある工場や事業場、店舗に設置されている空調室外機や冷凍機、ボイラーやエコキュート(給湯器)などの機器が発生源となる騒音です。高速鉄道トンネルや道路高架橋などの交通環境が原因となる場合もあります。
これは高音より低音の方が遠くまで響きやすいために起こるトラブルであり、様々な方法で対策されています。
また研究室や実験室、病院といった施設には低周波音が発生する機械が設置されていることが多く、正確なデータを取ったり集中しやすい環境を作ったりするために気になる音を防ぐ対策が行われています。

低周波騒音が原因となって起こる影響例

ここでは、低周波騒音が及ぼす心身への影響と物的影響の具体的な例をいくつか挙げていきます。
一般的な騒音の場合は「うるさい」「やかましい」と感じることが多いですが、低周波騒音は個人差が大きいのが特徴で、人によっては不快感などの影響を受けやすい可能性があります。

・心身への影響
低周波騒音が気になる環境で長いあいだ過ごしていると、不調の初期症状として「ボー」など鈍く低い音が聞こえるという人が多いのが特徴です。
音が一度気になると心身ともにリラックスできない状態が続いて大きなストレスにつながり、集中力の低下や睡眠障害、イライラや疲労感、耳鳴りや食欲不振といった様々な悪影響を及ぼす可能性があります。よく眠れない状態が続くとやがて頭痛や吐き気、めまいやしびれなど身体の様々な不調を引き起こす場合もあります。
さらに影響が大きくなると次第にあらゆる音が騒音に感じてしまうようになったり、精神障害の原因となったりする恐れもあります。

・物的影響
低周波騒音による物的影響は、窓や戸のがたつきや揺れといった建具への影響がよくみられます。低周波音が窓や戸を振動させることで起こる現象で、音は感じられないにもかかわらず家の扉や窓が揺れたり、がたついたりすることがあります。
建物や家具の低周波音に対する反応は人の耳よりも感度が良く、近くに騒音の発生源があると影響を受けやすい場合があります。
ただし家の前を大きな車が通った場合や、地震が起こったときも同じように揺れることがありますので、低周波騒音以外の原因も考えられます。

低周波騒音による不調が疑われるときは早めに相談・対策を

低周波騒音は、通常の騒音と異なり音の感じ方や聞こえ方には個人差が大きいため、不調を感じても低周波音によるものだと気付きにくいことが多いのが特徴です。
また不調が続いても自分自身の問題であると思い込んだり、周りに相談しても理解が得られなかったりするケースがみられます。

しかし、低周波騒音に長期間さらされると症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。そのため体調不良や不眠の原因が低周波騒音によるものだと疑われるときには念のため発生源を調べて対策を検討してみましょう。
また少しでも気になる症状がある場合は早めに病院を受診して医師に相談してみることをおすすめします。

私たちの身近に潜む低周波騒音の発生源

低周波騒音は、家庭内や職場など身近なところに発生源となり得るものが潜んでいます。低周波音を感じたり聞こえたりしたら、まずは身の回りや建物の周辺に発生源がないか探してみましょう。

・家庭内や隣近所
家庭内には低周波騒音の発生源となるものが数多くあります。例えば換気扇や冷蔵庫、洗濯機やエアコンなどが挙げられるほか、給湯器や室外機は自宅のみならず隣家に置かれた機器が騒音の発生源となっているケースもあります。

・身近な施設や周囲の環境
近隣に工場や店舗、公共施設などがある場合、施設に設置されている大型室外機や変電設備といった機械から低周波音が発生していることがあります。
しかしほとんどの施設で対策が施されており、騒音問題に発展するケースは稀ですが、過去には風力発電施設から発生した低周波騒音が問題になった事例もあります。
また例えば車が橋を通る時に、橋が揺れて低周波音が発生するなど周りの環境が騒音に影響している場合もあります。

低周波騒音の防音対策について

低周波騒音の対策としては、家庭内であれば原因となる機器を使用しないときはこまめに電源を落とす、設置場所を変えるといったなるべく音を発生させない方法で未然に防ぐようにするのがおすすめです。最近では静音をアピールしている音が小さな電化製品も数多く販売されています。
しかし、周りの交通環境などが影響している場合は解決するのは難しいとされています。

また職場の場合、例えば研究室や実験室、病院といった施設などでは室内に低周波音が発生する機械が設置されていることが多いです。
そこで外部に騒音が漏れるのを防いで集中できる環境を整えるために、一例としては音の発生源となる機械を入れる専用の防音ボックスを導入し対応するケースもあります。音の発生源を囲って防音するという方法です。
発生源がより大きなものになる場合は、周囲に防音壁を設置するなどの対策が必要となることがあります。

このように低周波騒音は、大きな音で聞こえる騒音に比べて対策が難しく、音や振動が発生している原因や状況によって有効な対策は異なります。
健康被害をはじめとするトラブルにつながるのを避けるために、低周波騒音にお悩みの方はまずは発生源について調べてみて、防音対策の知識を有する専門業者に相談してみましょう。

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