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防音ラボColumn

2024.08.22

「音」はなぜ聞こえる? 音の伝わり方の違いや、音の性質について

私たちが日常生活で耳にする「音」は、どのようにして伝わってくるのでしょうか?
音は空気中を振動として伝わり、耳に届いて初めて「聞こえる」ものとなります。

今回は、音の伝わり方の基本原理や、媒質による伝わり方の違い、音の性質、そして騒音と防音対策などについて分かりやすく解説します。音に関する知識を深めて、日常の「音」の不思議に触れてみましょう。

「音」はどのようにして耳に伝わる? 媒質による違い

普段耳にする様々な「音」は、「音源(音の元となるもの)」が起こした空気の振動が私たちの耳に届くことで音として認識することができています。
例えば人の声、車やバイクのエンジン音、スピーカーから流れる音楽など、あらゆる音源が起こした振動が空気の波となって伝わり、耳の鼓膜を震わせて初めて「音が聞こえる」という状態になるのです。音源がなければ、音が発生することはありません。

また音が聞こえるには空気が必要になるので、空気がない真空の状態で音は発生できません。宇宙空間では音は聞こえないといわれるのはこのためです。
容器の中に音が鳴るベルを入れて、注射器で徐々に空気を抜いて真空状態を作るという実験では、空気が抜かれるにつれて音もだんだん小さくなるという現象を確認することができます。

さらに「音」は、空気中以外にも固体中や液体中でも伝えることができます。
音を伝えるために必要となるものは「媒質」と呼ばれ、気体、固体、液体などがあります。
例えば糸電話は、糸という固体を通して音を相手に伝える仕組みとなっています。
そしてプールなどで水に潜っているときでも、周囲の子供の声やスタッフの笛といった音が聞こえる現象は、水(液体)を通して音が伝わってくるためです。
このように空気以外でも、音源が固体や液体など他の媒質に触れていれば「音」が発生します。
そのため上記の実験では、注射器で空気を抜いても容器(固体)に音があたっているため、音は小さくなりますが消えるというわけではありません。

様々な種類がある「音の性質」について

音の性質には、音の大きさ、高さ、音色など、たくさんの種類があります。

・音の大きさ(dB)
「音の大きさ」は空気の圧力の変化量によって決まり、これを「音圧」といいます。
音源から発生した「波の幅(振幅)」が大きいほど空気の圧力変化が大きくなり、音も大きくなります。反対に振幅が小さくなればなるほど小さな音となります。
音圧は「dB(デシベル)」という単位で示されており、一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
dBの数値が大きくなるほど大きな音となり、目安としては人の会話が通常40〜60dBになります。人が音をうるさいと感じるのは、個人差はありますが一般的に70dB以上(電車の車内、蝉の音、昼間の幹線道路周辺から聞こえる音など)といわれており、110dBを超えると聴力に支障をきたすとされています。
ちなみに音の強弱を表す単位としては「Pa(パスカル)」が用いられています。

・音の高さ(Hz)
「音の高さ」とは1秒間に空気が振動する回数のことを指し、周波数「Hz(ヘルツ)」という単位で表します。
空気の振動は一往復して1回の振動となるため、「1Hz」は1秒間に1回の振動という意味で、「300Hz」の場合は1秒間に300回の振動が起こっているということになります。振動数が多いほど高い音となり、少ないほど低い音になります。
なお人間が認識できる周波数は20Hz〜20,000Hzといわれており、認識できない20,000Hz以上の音は「超音波」と呼ばれています。

・音の速さ
気体、固体、液体といった媒質によって、それぞれ音を伝える速さも異なります。
例えば空気中では音は秒速約340mで進み、水中では秒速約1500m、固体中では秒速約6000mで進むとされています。
音が伝わる速さは、密度と物質の硬さが関係しており、軽くて硬いものほどスピードが速くなるといわれています。
また空気中の場合、湿度が高いほど音が速くなることが分かっており、条件によっても異なります。
ちなみに雷が「ピカッ」と光ったかと思えば、「ゴロゴロ」という音が遅れて聞こえてくるという現象がありますが、これも音の速さが関係しています。
空気中では音は秒速約340mで進むのに対し、光の速さは秒速30万メートルといわれていることから、雷が鳴るとまず光が届き、あとから遅れて音が聞こえるのです。

・音色
例えばギターとピアノで同じ「ド」の音を鳴らしても明らかに音色が違いますが、これはどんな「倍音(様々な波長の音)」を含んでいるかによって変化するためです。異なる構造の楽器では音の波長の起こり方も異なるので、同じ高さ、同じ大きさの音を鳴らしても音色に違いが生まれます。
またこの原理は人の声にも当てはまり、「声帯」や「共鳴腔(体内で声が反響する空洞部分)」も人によって異なるため、この違いが倍音となって物理的に現れ、同じメロディを歌っても人それぞれ違う音色になります。倍音が多いと明るくパワフルな音に、少ないと暗い音になって聞こえます。

騒音の種類「空気伝播音」と「固体伝播音」について

私たちの日常生活の質を低下させることにつながる「騒音」は、伝播する媒体によって「空気伝播音」と「固体伝播音」の大きく2つに分類されます。

・空気伝播音(空気音)
「空気伝播音」は、空気中を振動させて耳に伝わる音です。話し声や動物の鳴き声、テレビの音、音楽などの騒音は、この空気伝播音に当てはまり、音源から距離が離れるほど音のレベルが弱くなるという特徴があります。

・固体伝播音(固体音)
「固体伝播音」は、床や壁、天井など建物の構造を通じて伝わる音です。
例えば、上階の歩行音、隣の部屋への家具の移動、建物内の機械設備の振動などによる騒音トラブルが当てはまります。特にマンションやアパートで最も多い苦情が上下階から聞こえてくる騒音です。

これらの騒音の違いを理解することは、効果的な防音対策を行う上で大変重要なポイントとなります。
また空気伝播音と固体伝播音が混ざった音も存在するため、騒音を軽減するにはまず原因を特定してから適切な対策を施しましょう。

なお外から聞こえてくる騒音を軽減する対策は、一般的に窓、壁や天井、ドアや床などを防音化するといった方法が挙げられます。
特に多くの人が影響を受けやすい騒音の種類としては、電車の音、工事音、車のドアの開閉音、話し声、動物の鳴き声、近隣住民からの騒音など多岐にわたります。
そのためより高い防音効果を得るために、複数の対策を組み合わせる場合もあり、このほかには防音室を設置する、部屋自体を防音仕様にリフォームするといった方法もあります。

防音対策は、騒音の種類や生活環境、予算などによって異なりますので、「周りの音が気になる!」という方はまずは専門業者に相談してみることをおすすめします。
また自身の生活音が周囲に迷惑をかける原因とならないためにも、騒音に対する意識を高めて、日頃から適切な対応を心がけましょう。

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