気持ちが落ち着く? 近年注目の「センサリールーム」
近年、様々な場所で導入され始めている「センサリールーム」という空間をご存知でしょうか?
特に視覚過敏や聴覚過敏のある方が、多くの人が訪れる場所でも落ち着いた環境で過ごせる空間として、空港や駅といった交通機関をはじめ、公共施設や商業施設、スポーツ観戦施設などへの設置が進められています。
今回は、センサリールームの特徴や効果、代表的な導入事例などについて分かりやすく解説します。センサリールームに興味がある、導入を検討しているという方はぜひ参考にしてみてください。
自分のペースで過ごせる「センサリールーム」とは?
「センサリールーム」とは、視覚や聴覚、嗅覚などの五感を刺激、または落ち着かせることを目的とした特別な空間のことです。リラクゼーションを促し、ストレスや不安を軽減する効果が期待されています。
特に視覚や聴覚などに感覚過敏の症状がある方、ストレスの多い環境で働く方など、幅広いニーズに応じて利用されています。
センサリールームの特徴は、感覚に働きかける様々な仕掛けが用意されている点です。
例えば、LEDライトによる柔らかな照明、静かな音楽、触り心地の良いクッション、リラックス効果のある香り、感覚を刺激する玩具などがあります。
こうした工夫によって、感覚をリセットしたり整えたりする効果がある環境が提供されています。
このような空間は、主に学校などの教育機関、役所などの公共機関、スポーツ観戦施設やライブ会場、商業施設、空港や駅などの交通機関といった場所での設置が想定されており、利用者が自分のペースで過ごせるようデザインされています。
また、企業がオフィスや工場でリラックスできるスペースとして設置するケースもあります。
センサリールームが近年注目される背景には、現代社会が抱えるストレスの増加や、感覚過敏への理解が深まったことがあります。ストレス社会の中で感覚を整え、心地よく過ごせる安全な場所として、様々な場面で取り入れられています。
センサリールームの効果、導入するメリット
ここでは、センサリールームの効果やメリットについてより具体的にご紹介します。
センサリールームは、先述のとおり利用者の感覚を落ち着かせ、心身のリラックスを促す効果があるため、様々な場面で活用されています。
特に感覚過敏の症状がある方にとって、センサリールームは安全で快適な空間を提供します。例えば、視覚や聴覚に負担がかかる環境から離れ、静かで穏やかな空間に身を置くことで、ストレスや不安感を軽減できます。
子どもにとっては、集中力や情緒の安定をサポートするツールとして有効です。特に発達障がいなどを抱える子どもたちにとって、感覚刺激をコントロールする環境は、自信を持って行動するきっかけとなります。
一方、成人向けにはストレス解消やリフレッシュの場としても活用され、仕事の生産性やメンタルヘルスの向上につながります。
さらに、センサリールームは個人だけでなく、周囲の人間関係にも良い影響をもたらします。利用者が心の安定を取り戻すことで、家族や同僚とのコミュニケーションが円滑になり、ポジティブな連鎖が生まれるのです。
こうした多角的なメリットにより、センサリールームは子どもから大人まで幅広い層にとって価値ある存在となっています。
センサリールームの代表的な導入事例
センサリールームは、国内外の様々な場面で活用され、成功事例が数多く報告されています。ここでは、代表的な導入事例をいくつかご紹介します。
・教育機関
国内の教育機関では、感覚過敏の傾向がある生徒がセンサリールームを利用することで、心を落ち着けてより安心して学校生活が送れるようになったという事例があります。
小学校や特別支援学校、児童館のほか、放課後等デイサービス、子連れコワーキングスペースなどでも導入事例があります。
また、大学などでは1人用の自習室・休憩室で、部屋の照明の色を自由に変える、リフレッシュアイテムを利用するといった方法で、自分が快適に過ごせるよう調整できる設備も導入されています。
・企業オフィスや工場
より心理的に安全な職場づくり、施設づくりのためにオフィスや工場にセンサリールームを設ける企業も増えてきています。
主に従業員のストレスケアを目的に導入され、休憩時間にリラックスすることで、業務効率の向上につながり、離職率の低下にも期待が寄せられています。
・スポーツ観戦施設
スタジアムやアリーナなどのスポーツ観戦施設でもセンサリールームが広がりつつあり、主に感覚過敏の症状がある子どもたちが過ごしやすい環境で、観戦を楽しむことができる空間が設置されるケースが増えてきています。
特に欧米や豪州のサッカーやバスケットボールといったスポーツ観戦施設での設置が進んでおり、周囲の大きな音や眩しい光、人混みが苦手な方でも集中できるよう設計されています。
このほかには、ライブ会場や文化施設などでも設置されていることがあります。
・交通機関
空港や駅といった交通機関で導入されているセンサリールームは、人の往来が激しいコンコースなどで設置されているケースが多くみられます。
騒がしい環境が苦手な方が一時的に利用することで、旅行や外出時の不安を軽減する効果が報告されています。
・医療施設
医療施設でもセンサリールームが導入されており、国内では病院のそばに位置する、病気と戦う子どもや家族が泊まる宿泊施設に設置された事例があります。家族団欒のひとときを提供する場所として導入され、多くの人々が利用しています。
・商業施設
ショッピングモールやデパートなどの大型商業施設でも、感覚刺激を回避できるスペースとして、センサリールームが導入された事例があります。
騒がしい環境から一時的に避難して休憩するためのスペースで、気持ちを落ち着かせるために活用されています。
このような導入事例は、センサリールームが多様な場面で幅広い効果を発揮していることを示しており、今後さらなる普及が期待されています。
防音・吸音製品の技術を応用したセンサリールームも?
センサリールームの特徴や効果、代表的な導入事例などについてご紹介しました。
感覚を整え、心身をリフレッシュさせる新しい選択肢として、センサリールームは今大きく注目を集めています。子どもから大人まで、多様なニーズに応じて利用できるこの空間は、現代の忙しい社会において心を癒す大切な存在です。
そして近年は、誰でも安心して過ごせる環境づくりの一つとして、防音・吸音製品の技術を活かしたセンサリールームの可能性が研究されています。
例えば、常設はもちろん、商業施設でのイベントなどで一時的にセンサリールームを設置したい場合は、自分で組み立てができる個室ブースやパネルパーティションを使用すれば、簡単に対応することができるのでおすすめです。
センサリールームの導入を検討している、少しでも興味があるという方はぜひ一度体験してみてください。
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