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防音ラボColumn

2025.02.18

音響外傷とは? 原因や症状、予防方法について

イヤホンで音楽を聴く、ライブやフェスで音に包まれる、カラオケで思い切り歌うなど、私たちの生活には「音」が溢れています。
しかし、こうした日常の音が耳にダメージを与える場合があることをご存知でしょうか?「音響外傷」は、大きな音を長時間聞くことで聴力に悪影響を及ぼす症状で、初期症状を見逃すと、耳鳴りや難聴が治らないこともありますので注意が必要です。

今回は、音響外傷の原因や症状、そして耳を守るための予防策などについて分かりやすく解説していきます。

耳に悪影響を及ぼす「音響外傷」

音響外傷とは、大きな音や長時間の騒音にさらされることで、内耳の有毛細胞が損傷し、聴力の低下や耳鳴りなどの症状が生じる状態です。特に突発的な爆音や、大音量の環境に長時間いることが主な原因となります。
音響外傷は一時的な「急性音響外傷」と、持続的にダメージを受けた場合は回復が難しい「慢性音響外傷」に分けられ、症状の重さによってその影響も変わります。

主な症状としては、先述の耳鳴り(キーンという高音)や一時的な聴力低下のほか、耳の圧迫感、音がこもって聞こえる感覚などが挙げられます。
軽度のものであれば、しばらく静かな環境で過ごせば回復することもありますが、重度の音響外傷になると回復が難しくなる恐れもあります。
特に注意すべきなのは、音響外傷は自覚症状が出にくい場合があることです。聴力が少しずつ低下するため、自分では気づかないうちに進行してしまう危険があります。

音響外傷を防ぐには、日常的に耳を保護する意識を持つことが重要です。

音響外傷の主な原因について

音響外傷は、耳に過度な負担がかかる環境で生じることが多く、その主な原因はいくつかに分類できます。大きな音にさらされる時間や音の強さによって、ダメージの程度が変わるため、まずは具体的な原因を理解することが重要です。

・突発的な大音量
爆発音や雷鳴、打ち上げ花火のように、短時間で非常に大きな音を発するものは、瞬時に内耳の有毛細胞を損傷させる可能性があります。
特に140dB(デシベル)を超える音は一度だけでも音響外傷を引き起こすことがあり、耳の圧迫感や急激な聴力低下を伴うことが多いです。

・大音量の音楽鑑賞
イヤホンやヘッドホンでの長時間の音楽鑑賞は、音響外傷の大きな原因の一つです。
特にボリュームを上げすぎる癖がついてしまい、最大音量近くで聴くことが習慣になっていると、内耳へのダメージを蓄積させる危険があります。
WHO(世界保健機関)によると、85dB以上の音を1日8時間以上聴くと、聴力に影響が出る可能性があるとされています。100dBを超える音量では15分程度でもリスクが高まるため、適切な音量管理が不可欠です。
また、小さな音でもイヤホン・ヘッドホンを長時間使用し続けることは、聴力への負担になるので注意が必要です。

・ライブハウスやコンサートの大音量
ライブハウスやコンサート、音楽フェスなどでは100〜120dBの大音量に長時間さらされることが多く、特にスピーカーの近くにいると音響外傷のリスクが高まります。
こうした環境に頻繁にいる場合、耳鳴りや一時的な聴力低下を経験することがあり、繰り返されると慢性的なダメージにつながることもあります。

・工事現場や交通騒音
工事現場の機械音、電車や飛行機のエンジン音、車のクラクションなど、日常的な騒音も音響外傷の原因になります。
特に仕事で大きな音に長時間さらされる方は、耳栓やイヤーマフを使用しないと慢性的な聴力低下を引き起こすリスクが高まります。

音響外傷の代表的な症状

ここでは、音響外傷の代表的な症状について解説します。

・耳鳴り
音響外傷の最も一般的な症状の一つが「耳鳴り」です。これは「キーン」「ジー」「ブーン」といった音が、外部の音とは関係なく聞こえる現象です。
ライブ会場などの大音量の環境にいたあと、一時的に耳鳴りを経験する方も多いですが、通常は数時間から数日で治まります。しかし、繰り返しダメージを受けると、耳鳴りが慢性化することがあります。

・聴力低下
音響外傷の影響で、聴力が一時的または永久的に低下することがあります。特に高音域の音が聞き取りにくくなるケースが多く、会話の中では「サ行」や「タ行」などの音が聞き取りにくくなることがあります。
一時的なものなら回復することが多いですが、頻繁に大音量にさらされると、回復が困難になり、加齢とともにさらに悪化する可能性があります。

・耳の詰まり感
大きな音を聞いた直後に「耳がこもる」「水が入ったような違和感がある」という症状を感じることがあります。これは、内耳の有毛細胞が過度な刺激を受け、一時的に機能が低下していることが原因です。
通常は数時間から数日で回復しますが、繰り返しダメージを受けると慢性化し、常に詰まったような感覚が続くこともあります。

・聴覚過敏
音響外傷によって、普段は気にならない音が「うるさく感じる」「不快に思う」ようになることがあります。例えば、食器のカチャカチャという音や、車のクラクションの音が過剰に響いてしまうといったケースです。
これは、内耳の神経がダメージを受けたことにより、音の処理が正常に行われなくなっている可能性があります。

・めまいやバランス感覚の異常
内耳は、聴覚だけでなくバランスを保つ働きもしています。そのため、音響外傷によるダメージが内耳に及ぶと、めまいやふらつきを感じることがあります。
例えば、急に立ち上がったときや歩行時に違和感を覚えることがあり、重症の場合は日常生活に支障をきたす場合もあります。

このように音響外傷の症状は、耳鳴りや聴力低下のほかにも多岐にわたります。
初期の段階では一時的なもので済むケースが多いですが、繰り返しダメージを受けると回復が難しくなります。そのため、異変を感じたらすぐに耳を休ませ、必要であれば医師の診察を受けることが大切です。

音響外傷を予防するポイント

音響外傷は一度発症すると完全に回復しない場合もあるため、予防が非常に重要です。
特にライブ会場など大音量の環境に行くことが多い方は、できる対策を知り、耳の健康を守りましょう。

・休息を取りながら聴覚を守る
長時間の音刺激から耳を守るためには、適度な休息を取ることが重要です。
例えば、大音量の環境にいる時には、なるべく1時間ごとに10~15分程度は静かな環境で耳を休ませたり、イヤホンやヘッドホンの使用後は30分~1時間は耳を休ませたりするなど、小さな配慮が耳の健康を守る上で大きな違いを生みます。
また、ストレスや生活習慣の乱れは実は聴覚の健康にも影響を与えます。そのため適度な運動やストレッチを習慣づけ、質の良い睡眠を確保するなど、健康的な生活を心がけましょう。

・イヤホン・ヘッドホンの音量を適切に調整する
日常的にイヤホンやヘッドホンを使用する方は、例えば最大音量の60%以下で、連続使用は60分以内にするなど、音量の設定や使用方法に気をつける必要があります。
また、周囲の雑音を抑えることで、過度に音量を上げずに済む「ノイズキャンセリング機能」が付いたものを活用するといった方法も得策です。

・耳栓や防音イヤーマフを活用する
大音量の環境に長時間いる必要がある場合は、耳栓や防音イヤーマフを活用しましょう。特に工事現場や騒音のある職場の多くが、こうしたアイテムを導入し、耳を物理的に保護しています。
また、ライブ会場で使用するのに便利な、音楽の質を損なわずに音圧を下げる専用の耳栓も販売されています。

大きな音の問題を抱えている場合は専門業者に相談を

音響外傷の原因や症状、耳を守るための予防策についてご紹介しました。
音響外傷を防ぐには、普段から耳を大切にする意識が重要です。日々の習慣を見直し、健康な耳を維持していきましょう。

そして、特に大きな音の問題を抱えることが多い工場や作業現場などでは、近隣への騒音対策だけでなく、従業員の職場環境の整備が行われています。
騒音にお悩みの方は、耳の健康トラブルを防ぐためにも専門業者に依頼して、必要に応じて本格的な防音対策に取り組みましょう。

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