独特な音色が魅力? ファゴットをはじめてみよう

ファゴットは、木管楽器の中でもひときわ個性的な存在として知られる楽器です。
見た目の独特さと複雑な構造から「難しそう」と思われがちですが、初心者でも練習すれば少しずつ音を出すことができます。
今回は、ファゴットの魅力や種類、初心者が選ぶときのポイントについて、分かりやすく解説します。
縁の下の力持ち? ファゴットの魅力
「ファゴット」は、低音域を中心に豊かな音を奏でられることから、オーケストラや吹奏楽では縁の下の力持ちとして存在感を発揮している木管楽器の一種です。
楽器本体が長く、管を二つ折りにした形が特徴的で、クラシックだけでなく映画音楽やジャズ、ポップスなど、幅広いジャンルでファゴットの音色が活かされています。
ファゴットの歴史を遡ると、16世紀のヨーロッパで誕生した「ドルツィアン」という楽器が起源とされています。その後、18世紀には現在の形に近いファゴットが登場し、様々な改良が重ねられてきました。
19世紀になるとドイツの軍楽隊長のカール・アルメンレーダー、そして楽器製作家のヨハン・アダム・ヘッケルによってさらなる改良が行われ、現在もプロ奏者が多く使用している「ドイツ式(ヘッケル式)」と呼ばれるファゴットの原型が誕生しました。
ファゴットは2本の木を束ねた形の木管楽器で、一度目にすると印象に残るデザインが特徴です。イタリア語で「薪の束」と呼ばれており、英語では「バスーン(bassoon)」とも呼ばれることで知られています。
木管楽器は、「リード」と呼ばれる「葦(あし)」という植物から作られた薄い板を振動させて音を出す楽器(ファゴットやオーボエ、サックスなど)や、本体に直接息を吹き込むだけで演奏する楽器(リコーダーやフルートなど)のことをいいます。
ファゴットの場合は、2枚のリードを使用する「ダブルリード」に分類されるため、演奏には肺活量と繊細な息のコントロールが求められますが、その分深みのある豊かな音色を奏でられるのが大きな魅力となっています。
知っておきたいファゴットの種類について
ファゴットは、「ドイツ式(ヘッケル式)」と「フランス式(バッソン)」の2種類がありますが、一般的にはドイツ式が使用されています。ここでは、それぞれの違いについて解説します。
・ドイツ式(ヘッケル式)
現在、多くの国で使用されているのが「ドイツ式(ヘッケル式)」のファゴットです。
1880年頃にドイツのヘッケル社が完成させたもので、音色は深く豊かで、しっかりとした響きが特徴となっており、プロ奏者が多く使用しています。
まずはドイツ式のファゴットから始めるのが一般的となっています。
・フランス式(バッソン)
19世紀にドイツの軍楽隊長のカール・アルメンレーダー、楽器製作家のヨハン・アダム・ヘッケルによって改良される前のファゴットの形を継承した楽器が「フランス式(バッソン)」です。
一般的に「バッソン」と呼ばれ、柔らかい音色が特徴となっており、ファゴットの仲間に分類されますが別の楽器として扱われています。現代ではフランスを中心に親しまれていますが、「バッソン」から始める方は稀な傾向です。
・コントラファゴットという楽器も?
ファゴットの仲間には、バッソンのほかに「コントラファゴット 」という楽器が存在します。
ファゴットより管が長く大型で、1オクターブ音域が低い楽器であり、柔らかく豊かな音色が特徴です。大編成のオーケストラなどのシーンで使用されています。
初心者向けファゴット選びのポイント

ここでは、初心者の方がファゴットを選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
・素材は木製がおすすめ
ファゴットに使用される「素材」は、メープルが使われた木製のものが一般的ですが、より安価なモデルには合成樹脂製のものがあります。
初心者の方には、温かみのある豊かな音色が特徴となる木製のファゴットがおすすめです。
・ファゴットの価格はどのくらい?
「価格」も大切な判断基準になります。ファゴットは他の管楽器に比べると高価な楽器で、一般的に使用されているものでも数十万円することがあります。
プロ向けになると100万円以上とさらに高額になるため、まずは予算に合わせて無理なく続けられるモデルを選びましょう。
・お気に入りのメーカーを探してみよう
ファゴットを扱うメーカーは国内外に数多くあります。
ドイツの総合木管楽器メーカー「ヘッケル」や親子4代にわたって受け継がれてきた「ピュヒナー」、ファゴット専門メーカーの「ヴァルター」、アメリカのダブルリード専門メーカー「フォックス」のほか、日本の楽器メーカー「ヤマハ」などが有名です。
このように、ファゴット選びのポイントは様々ですので、まずは楽器店に足を運び、実際に吹き比べてみることが大切です。
同じモデルでも人によって手に取ったときの感覚や、吹きやすさの感じ方は異なるため、経験豊富なスタッフに相談しながら確認し、自分に合ったものをじっくり探してみましょう。
防音室を自宅に導入して楽器演奏を楽しもう!

ファゴットの魅力や種類、初心者が選ぶときのポイントについてご紹介しました。
ファゴットは独特な音色と表現力の豊かさが魅力の楽器です。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、初心者でも段階を踏んで練習すれば演奏の楽しさを実感できます。
ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、自分に合ったファゴットを見つけて、音楽の世界に新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
そして、初心者の方が楽器を始めるにあたって考えておかねばならないのが、練習場所の確保です。一般的には音楽スタジオやカラオケボックス、楽器演奏可能な公共施設のほか、公園や河川敷などが練習場所によく挙げられます。
また、ファゴットの場合は、「ミュート(弱音器)」という専用のアイテムを使えば、自宅でも演奏が可能になります。
しかし、あくまで音を軽減するものなので、効果は完全ではありません。
そのため「近隣からの苦情が心配」という方や、「周囲を気にせず演奏したい!」という方には、自宅に防音室を導入して本格的に防音対策する方法がおすすめです。
予算やスペースが必要となりますが、防音室があればスタジオなどの練習場所を借りる必要もなく、いつでも好きな時に楽器演奏を楽しむことができますよ。
さらに、最近では楽器演奏をスマートフォンのアプリや、ポータブルレコーダーを使用して録音するという方も多く、「ゆくゆくは自宅で録音したい」という場合は防音対策が非常に重要になります。
クオリティが高い作品作りにはもちろん、練習目的であっても自宅で録音する場合は、音を鳴らす際に発生する部屋の反響音をマイクが拾ってしまったり、周りの雑音が入ったりしてしまうと音質にも大きく左右するので、防音室の導入を視野に入れておきましょう。
楽器演奏以外にも、例えばWeb会議やゲーム、オンラインレッスンやカラオケ、読書など、仕事や趣味の多種多様な場面で活用できるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
宮地楽器が提供する吸音・消音性抜群の簡易防音室・防音パネルブランド「VERY-Q(ベリーク)」は、多くのプロミュージシャンや楽器演奏を楽しむ方々に導入していただいている実績を活かし、防音対策の新たな形をご提案しております。
防音ボックスや吸音パネルなど、防音対策に便利な製品を多数扱っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
