大人でも始めやすい合唱の魅力! 上達法や家で練習する時の注意点

大人になってからでも始められる音楽の趣味の一つに「合唱」があります。
最近では、地域の市民合唱団やカルチャー教室、オンラインサークルなど、気軽に参加できる環境が整ってきました。
「音楽の知識がないから不安」「音程が取れるか心配」といった悩みも聞かれますが、合唱は声の大きさや上手さを競うものではなく、互いの声を聴き合いながら調和を楽しむものです。
そして、正しい発声と呼吸法を身につければ、誰でも少しずつ上達を実感できます。
今回は、合唱の魅力や上達のための基本練習、自宅で練習する際の注意点や防音対策について解説します。
大人から始める合唱の魅力とは?
合唱と聞くと、学生時代の音楽の授業や文化祭を思い出す人が多いでしょう。
しかし近年は、大人になってから改めて合唱を楽しむ人が増えています。
仕事や家事、育児に追われる日々の中で「声を出す時間がほとんどない」「人と一緒に何かを作り上げたい」と感じる人にとって、ストレス解消や心のリフレッシュに最適な趣味です。
・参加のハードルが低い
合唱が人気の理由の一つとして、ピアノやギターのように楽器を用意する必要がないため、機材や費用がかからずに自分の声ひとつで参加できるという点が挙げられます。
冒頭で述べたように、地域の市民合唱団やカルチャースクール、教会やボランティア団体など活動の場も幅広くあり、練習内容も呼吸法、発声、ハーモニーづくりなど、基礎から始めてもらえるところが多く、音楽未経験でも安心して溶け込めます。
・子どもたちとの体験もできる
合唱の魅力は年齢や経験を問わず楽しめることにもあります。
合同ステージや地域のイベントなどでは、小学生からシニアまでが同じ曲を歌う機会もあります。
世代を超えて一緒に歌う経験は、音楽を通じたコミュニケーションの場にもなるでしょう。
最近は、合唱を通じて子どもと一緒に活動する「親子合唱サークル」や、会社員向けの「夜間合唱クラブ」なども人気です。
また、曲のジャンルもクラシックからポップス、映画音楽、ミュージカルまで多彩です。
初心者向けの優しい曲から、ハーモニーが複雑な本格的な合唱曲まで段階的に挑戦できるため、レベルに合わせて無理なく楽しめます。
・合唱がもたらす心身のメリット
合唱は歌の上達だけでなく、定期的に声を出すことで呼吸が深くなり、姿勢が整い、表情筋も自然と鍛えられます。
人前で声を出す習慣がつくと、話すときの声量や発音も改善され、プレゼンや日常会話での自信にもつながります。
また、合唱団では年齢や職業を超えて多様な人と出会えるのも魅力です。
共通の目標に向かって練習し、舞台で一体感を感じる瞬間は、大きな喜びを味わえます。
さらに、「歌うことが癒やしになる」という理由で合唱を続ける人も多く、心身の健康を保ちながら自分らしさを表現できる時間にもなるでしょう。
・団体やサークル選びのコツ
合唱の団体やサークルは、初心者歓迎かどうか、練習日程や時間帯が自分の生活リズムに合うか、発表会やイベントへの参加の有無などの基準で選びましょう。
体験レッスンで雰囲気を確かめるのもおすすめです。
自分に合った教室を選べると、音楽を通じた人とのつながりも自然に生まれるでしょう。
練習では最初から「完璧に歌おう」と意気込みすぎず、「声を出す楽しさを知る」意識で始めると長続きします。
合唱が上達するための基本と練習方法
合唱は、単に歌を上手く歌うための活動ではなく、複数の声が調和して一つの音楽を生み出すものです。
上達のためには「自分の声を知る」「正しい呼吸法を身につける」「音を聴く力を養う」といった基本を大切にしましょう。
・合唱の発声練習と発声のコツ
合唱で最も大切なのは、喉ではなく「体全体で声を出す」意識を持つことです。
声を張り上げるのではなく、リラックスした状態で自然に響く声を作るのが理想で、肩や首をゆっくり回して体をほぐし、軽く「ハミング(鼻歌)」をして喉を温めます。
そして「あー」「いー」「うー」と母音を使ったロングトーンの練習をし、その際には「息を押し出す」のではなく、「息に声を乗せる」感覚を意識しましょう。
無理に大きな声を出そうとすると喉を痛める原因になりますが、息の流れを意識すると声が自然に響くようになります。
また、合唱は個人の歌唱ではなく「全体でのバランス」が重要です。
自分の声ばかりを聴こうとせず、周囲の音を聴きながらハーモニーの中で声を溶かしていく意識を持つと、音のまとまりが格段に良くなります。
・腹式呼吸や姿勢などの基礎トレーニング
発声の基本に欠かせないのが腹式呼吸です。
お腹を膨らませるように息を吸い、吐くときはお腹を軽くへこませるようにして空気をコントロールしましょう。
この呼吸法に慣れると、長いフレーズでも安定した声を出せるようになります。
仰向けに寝てお腹に手を置き、呼吸に合わせて上下する感覚を覚え、「スー」「フー」と息だけを出して呼吸のコントロールを身につけると良いでしょう。
体のどこかに力が入ると声が響かなくなるため、胸を張りすぎずに背筋をまっすぐ伸ばし、首をリラックスさせて全身を軽く支える程度に立つのがポイントです。
・録音して自分の声を聴く
自分では正しい音程で歌っているつもりでも、録音して聴くと意外と音がずれているケースがあります。
これは誰にでも起こる現象で、上達の近道は「客観的に聴くこと」です。
スマートフォンのボイスメモや無料録音アプリを使い、自分の声を定期的にチェックしましょう。
発声練習や課題曲を録音して音程のズレを確認する、音の入り方(ブレスのタイミング)や語尾の処理を意識して聴く、前回の録音と比較して変化を把握するといった方法がおすすめです。
自宅で練習するときの防音対策

自宅で合唱の練習を行う際にまず意識したいのが、周囲への「音漏れ」です。
特にマンションやアパートでは、声が壁を越えて隣室や上下階に伝わるため、事前の対策が必要になります。
音漏れが発生しやすいのは、主に「窓」と「床」です。
窓まわりには厚手の遮音カーテンや防音カーテンを使うと外に漏れる音を抑えられ、二重にすることで効果がさらに高まります。
床には防音マットやジョイントマットを敷くと、振動の伝わりを軽減でき、声の反響が和らぐでしょう。
ドアの隙間は意外と音が抜けやすいポイントで、市販の隙間テープを貼るだけでも音の逃げ道を減らせます。
また、クローゼットの中や、本棚や家具が多い部屋は、衣服や本が吸音材の役割を果たすため部屋選びも重要です。
手軽に導入できるアイテムとして、口元に装着するだけで声量を抑えてくれる防音マスクや、壁に取り付ける吸音パネルを活用すると反響音が抑えられ、快適に練習できる空間を作れます。
そして、より本格的に歌いたい場合には簡易防音室も便利です。
外への音漏れを抑えつつ、室内では自然な響きを保ちながら練習できるため、集合住宅でも安心して利用できます。
なお、防音対策をしても練習する時間帯の配慮は忘れないようにしましょう。
一般的には午前10時~午後7時の間が生活音として許容される時間帯といわれています。
夜間や早朝は避け、家族や近隣住民に理解を得たうえで練習するのがマナーです。
大人の合唱デビューを楽しもう!

合唱は機材がなくても、声ひとつで音楽を作り上げられるのが魅力です。
最初は思うように声が出なかったり、音程が不安定だったりするかもしれませんが、正しい姿勢と呼吸法を身につけられると、少しずつ声の響きが変わっていきます。
声を出す楽しさ、仲間と響き合う感動を少しずつ積み重ねながら、自分のペースで楽しんでいきましょう。
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