宅録や配信で注意したい「部屋鳴り」対策!
近年は自宅でのWeb会議をはじめ、音声・動画配信などが急速に普及している一方、音声トラブルの一つで多くの方を悩ませているのが「部屋鳴り」です。
部屋鳴りは「部屋の反響音」のことであり、音源などを収録する際にマイクが一緒に反響音を拾ってしまう現象ですので、しっかり対策しているかどうかで音声のクオリティが大きく左右されます。
音声編集やミックス作業の時に部屋の反響音がその作業の妨げになってしまうこともあります。
そこで今回は、主に「部屋での録音・収録がなかなか上手くいかない」という方に向けて、部屋鳴りがもたらすデメリットや対策方法について解説します。
部屋鳴りとは?
「部屋鳴り」は、音を鳴らす際に発生する部屋の反響音です。
宅録作業などで音声を収録する際にマイクが反響音を一緒に拾ってしまうことで、音声のクリアさが失われて聴き取りづらくなってしまう恐れがあります。
部屋鳴りする環境で録音した音源はそうでないものと比べると声がこもっているように聴こえるのが特徴です。
部屋鳴りは、部屋に物が少なく空間がシンプルで単一な構造の場合は反響音も大きくなって起こりやすいほか、部屋の壁際などで録音すると壁に声が反響してマイクが拾ってしまうといったケースもみられます。壁の材質などによって反響音が大きくなることもあります。
例えば、コンクリート壁に囲まれた地下駐車場や広い会議室などの場所で話をすると声が響いて聴こえたり、電話の相手がこのような場所で話しているときには声が聴こえづらくなったりするという状況は、部屋鳴りの現象が原因となっていることが考えられます。
また、自宅や会議室などで行うWebミーティングで相手の声が聴き取りづらい又は何度も聞き返される場合は、部屋鳴りが原因で聴こえづらくなっている可能性があります。
部屋鳴りの影響によるデメリット
部屋鳴りによる影響は、特に自宅でボーカル録音などを行う方は作品のクオリティが大きく左右されますので注意しなければなりません。
近年は、自分の歌声を動画共有サイトやSNSを通して発信できる「歌ってみた」動画などが人気を博している一方で、せっかくの素敵な歌声が部屋鳴りによって台無しになってしまっているケースも多々見られます。
ボーカル録音における部屋鳴りの現象とは、歌声が部屋の壁などに反響し、その反響音をマイクが一緒に収音してしまうことで発生した録音状態です。
「歌ってみた」動画などの制作工程では、ボーカルを録音したあとに「Mix作業」と呼ばれる歌声と音源を合わせる作業が行われますが、部屋鳴りが起きたものを使ってしまうと仕上がりもいまいちになり、作品のクオリティ低下につながります。
具体的には「歌詞が聴き取りづらい」、「音の芯が掴みづらい」、「ボーカルの抜けが悪い」、「メロディの輪郭が分かりにくい」「複数人が歌う音源の場合は部屋鳴りが発生している人だけ違う場所で歌っているように聴こえる」、「Mix作業でリバーブやディレイなどのエフェクトもかけづらい」、「他の楽器の音色にも影響が出ている」などといった状態です。
Mix作業で部屋鳴りを綺麗に取り除くことは困難であり、高性能なソフトを使用しても完全に取り除くことは難しいため、クオリティの高い作品を目指すのであればボーカル録音の際に部屋鳴りを最小限に抑えることが重要になります。
なお、録音した音源をパソコンのスピーカーなどで聴いた場合はあまり部屋鳴りが気にならないかもしれませんが、イヤホンやヘッドホンを通して聴くと分かりやすいので注意しましょう。
部屋鳴りを抑える3つの主な対策
部屋鳴りを抑える対策としては、主に以下の3つの方法があります。
1.マイクの使い方が適切か確認する
まず基本となるのがマイクの使い方が適切であるかどうかの確認です。
マイクの位置が壁から近い場合は1m~2mほど遠ざけて、そして録音する際はマイクと口の距離をできるだけ近づけて歌ったり話したりできるようにセッティングしましょう。
壁から離すことで音の反響が少なくなって部屋鳴りも起きにくくなり、マイクにできるだけ近づいて録音するだけでも雑音や反響音が比較的入りにくくなります。
また、壁に向かって歌うのではなく、部屋の中心に向かって歌うようにするのも反響音による影響を抑えるポイントです。
なお、Webミーティングなどで部屋鳴りが気になる方は、マイクとのあいだに障害物がないか確認し、パソコンの内蔵マイクの方へ顔をしっかり向けて近づいて話すといった方法で調整してみてください。
2.リフレクションフィルターを使用する
リフレクションフィルターは、音の反射を抑えて部屋鳴りなどのノイズがマイクに入ってしまうのを防いでくれるアイテムであり、最も簡単な対策方法です。
マイクスタンドに設置するだけで導入でき、歌を録音するときに周囲に声が広がらないようにする効果を発揮して部屋鳴りを軽減してくれます。
3.吸音材を活用する
リフレクションフィルターを導入してもまだ部屋鳴りが気になる場合は、吸音材も活用すると効果的です。
特別な工事が必要なく 、録音を行う部屋の壁に貼るだけの製品もあります。おしゃれでスタイリッシュな吸音材も数多く販売されているので、部屋の雰囲気に合わせて選ぶのもよいでしょう。
また、賃貸物件などで壁に設置するのが難しい場合は、床に置いて使用できるパーティションタイプなどがおすすめです。
・自宅にある物だけで部屋鳴りを対策するのは難しい?
このほかの対策としては、自宅にある物で工夫してクッションやソファー、衣類など柔らかい物を部屋にたくさん置く、あるいは壁や床、マイクの後ろにタオルや毛布、カーペットなどを設置する方もいらっしゃいますが、あくまで簡易的なものですのでこれだけでは高い効果は期待できません。
部屋鳴りが少ない環境を目指すのであれば、上記のリフレクションフィルターや吸音材を導入してしっかり対策しましょう。
部屋鳴りや周囲からの騒音対策には防音室の導入がおすすめ!
部屋鳴りがもたらすデメリットや対策方法についてご紹介しました。
部屋鳴りの適切な対策をとることで録音した音源がクリアな音になり、音声・動画配信や音楽制作などにおいてよりクオリティの高い作品へと向上させます。
Web会議などでも部屋鳴りを抑えることでストレスのない進行へとつながりますので、特に大切な商談や面接を行う前には改めて確認しましょう。
また、部屋鳴りや周囲への音漏れ、外部からの雑音・騒音を気にせず作業に集中したいという方には、「防音室」と呼ばれる電話ボックスのような形をした本格的な防音設備の導入もおすすめです。
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Web会議やリモートワークなどでも活用できますので、ぜひ趣味とお仕事の環境を整えるのに最適な防音室の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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