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防音ラボColumn

2023.08.21

騒音の原因にも? サーバールームの熱対策

企業活動に欠かせない「サーバールーム」は、多くのオフィスでセキュリティ対策などは十分に配慮した上で運用されている一方、「熱対策」については不十分なケースがみられます。
電子機器は熱に弱く、高温になりすぎると冷却ファンの回転数も多くなるため騒音の原因となり、故障につながる危険もあるのでしっかりと熱を逃がす環境を整える必要があります。

そこで今回は、サーバールームの熱対策と防音する際の注意点について分かりやすく解説します。

サーバールームで熱対策を行う必要性

スマートフォンなど電子機器を長時間使っていて本体が熱くなるのを感じたことがある方は多いでしょう。
原因は一定時間使用していることで部品が発熱し、温度が上昇しているためですが、これはサーバールームも同様です。
社内の重要データを取り扱うサーバールームの多くが常に稼働しているため、機器が発熱しやすく、適切な方法で排熱しないと温度が上がり続けて思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。
例えば、熱を逃がそうとする冷却ファンの回転数が多くなり、騒音が大きくなるのもその一つです。

また近年はサーバーに搭載されたCPUの高性能化が進んでいる一方で、データ処理量も増加して負荷がかかり、温度上昇につながってシステムダウンを起こしたり故障の原因となったりするリスクも高まっています。

サーバールームは機器の熱がこもらないように、室内を常に適切な温度に維持しなければなりません。特に夏場は室温が高くなるとサーバーの温度も上がる原因になるため注意しましょう。
温度が高くなるのを避けて十分に冷却ができる環境に設備を整え、サーバーの設置場所にも配慮する必要があります。
サーバーで使われている電子部品や半導体は熱に弱いため、しっかりと対策を行ってください。

サーバールームの基本的な熱対策

ここでは、サーバールームの熱対策をご紹介します。
サーバーが上手く排熱できるように設置し、空気の流れを作って効率良く冷たい風が届くようにするのが基本的なポイントです。
休日であってもオフィスの空調設備を稼働させ、常に適切な環境に保ちましょう。

・サーバールームの空調設備を整える
サーバールームの適切な温度は、一般的に18〜27度ほどとなりますが室温をただ下げるだけでは不十分です。
部屋を冷やすために空調を強めるというのは、それだけエネルギー消費が大きくコストも上がりますが、空気の流れが悪いと効果が薄いので注意してください。

まずは、きちんと部屋全体に空気が循環するようにサーバールームを作るのがポイントになります。
部屋全体を冷やしても熱が溜まりやすい所があると、温度が上がってしまう原因になるため、サーバー周辺に溜まった熱を逃がせる冷たい風が通るように設備を整えましょう。

そしてサーバーの冷却ファンや吸気口にほこりが溜まっていると、熱を逃がしにくくなるだけでなく、騒音が大きくなる原因につながりますので定期的に掃除してください。
また部屋の温度を冷やしすぎると結露が発生する可能性があり、故障の原因となる危険があります。

・扇風機の導入もおすすめ
サーバールームの熱対策には「扇風機」や「サーキュレーター」を活用するのがおすすめです。
これらを使用することで、部屋全体に冷たい風が行き届く空気の流れを作り出し、サーバー周辺の熱を効率良く逃すことができます。特に床下送風タイプや床置きタイプのものが適しています。
空調を強めることなく熱対策にもしっかり対応できるので、コスト削減につながります。
ちなみに扇風機は広範囲にわたって風を送るのに対して、サーキュレーターは直線的に風を送るという違いがありますので、環境に合わせて選びましょう。

このほかには、ルームインルームで冷やす、個別空調を導入するといった様々な方法があります。

・夏場の気温上昇には注意を
夏は気温の上昇に伴い、室温も上がるのでサーバーの負担にならないように注意が必要です。特に湿気は悪影響を及ぼしやすいので、空調設備に結露が発生した場合に水滴がかかりやすい場所や、湿気がたまりやすい場所を確認しておきましょう。
なお、夏場は急な落雷も発生しやすくなる時期です。万が一近くで発生した場合は、一時的に起こる過電流によってサーバーが故障する危険がありますので、事前に対策することが大切です。
常時稼働していないサーバーであれば、使用していないときは電源プラグやケーブル類は抜いておくとよいでしょう。

熱暴走が起こると深刻な被害につながる危険も?

サーバーが過剰に熱を持つことで起きる「熱暴走」には注意しなければなりません。
熱暴走は、CPUの判断により熱で受けるダメージを最小限に抑えるために起こる現象です。機器の寿命を縮めるだけでなく、熱を逃がそうとする冷却ファンの回転数が多くなることでコスト増大につながり、騒音トラブルの原因にもなります。
さらに、突然電源が落ちる、勝手に再起動するといった症状が現れることがあるため、最悪の場合はシステムダウンして自社のサービスが停止したり、重要なデータが消失したりといった深刻な被害を与えるケースにつながります。火災など大きな被害を及ぼす危険もあります。

熱暴走を防ぐには、上記でご紹介した空調の整備や空気循環効率の改善、清掃といった基本的な熱対策を日頃から意識して行うことが大切です。
また、劣化や故障によってサーバールームの温度設定が適正でなくなってしまっている、冷却ファンなどに何らかの異常が発生しているといった原因も考えられるため、定期的に点検を行いましょう。

サーバールームの防音は熱対策にも注意を

サーバールームの熱対策とともに、確認しておきたいのが騒音についてです。
サーバーから発生する騒音が問題になることは実は多く、その音の大きさは60db(デシベル)にも達するといわれています。
一般的に人間は50dbを越えると音に対してストレスを感じるといわれていますので、決して無視はできない騒音レベルであり、日々の業務の妨げにならないようしっかりと対策する必要があります。

一方で、サーバーに防音対策を施す上で気をつけねばならない点があります。吸音材や防音ラック、防音シートなど防音対策グッズは様々なものがありますが、これらを設置する際は同時にサーバーに熱がこもるのを防ぐため空気の流れを遮らないようにすることです。
防音対策は騒音源に対して、近くに何らかの防音グッズを設置するのが一般的ですが、サーバーについては熱対策も考えなければなりません。
そのため、まずは専門業者に相談するのがおすすめです。

サーバールームの場合は、部屋の壁を防音仕様にするといった方法で大きな効果が得られることが期待できます。
サーバーの騒音に悩まされていた企業が防音設備を導入したことで、静かな環境で仕事の効率が上がり、スタッフ同士のコミュニケーションも円滑になったというケースもありますので、対策を考えているという方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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