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防音ラボColumn

2024.07.24

魅力的な歌声に欠かせない? 「倍音」について

人を魅了する歌声に欠かせない要素の一つとして「倍音」があります。
倍音とは声の成分を構成する周波数のことで、上手く活用できるようになるとより豊かで魅力的な歌声を目指すことができます。
楽器演奏や作曲といった音楽活動にも役立ちますので、ぜひ覚えておきましょう。

今回は倍音の基礎知識や、倍音を意識したボイストレーニングなどについて分かりやすく解説します。

「倍音」でより響き豊かな歌声に

「倍音」は、どんな人の声にも存在しており、例えば同じメロディを歌っても人によって違う音に聞こえるのは倍音が関係しています。
これは自分が出している声の「基音(基本音)」と呼ばれる音に、様々な波長の音(倍音)が重なっているためであり、これらの複雑な組み合わせによって声質が決定しているともいえます。
声質の違いは、私たちの顔や身体が人それぞれ異なるように、「声帯」や「共鳴腔(体内で声が反響する空洞部分)」も人によって異なるためで、この違いが倍音となって物理的に現れています。
基音は誰でも同じ音ですが、倍音は人によって異なるため同じメロディを歌っても違う音色になります。

ピアノやギターで同じ「ド」を鳴らしても音色が明らかに違いますが、異なる構造の楽器では音の波長の起こり方も異なり、倍音成分の違いが音色の違いを生んでいます。この原理が人の声にも当てはまります。倍音は通常人間が聞いても分かるものではありませんが、倍音こそが人それぞれ声が異なるということの魅力の秘密なのです。
様々な楽器や身近な音に倍音が含まれており、声の場合はその成分が多いほどよく響く豊かな声色・声質であるといわれています。

2種類の倍音の違いについて

倍音には「整数次倍音」と「非整数次倍音」の2種類があります。それぞれの特徴を代表的な歌手とともにご紹介していますので、ぜひ聞き比べてみてください。

・整数次倍音
基音の振動に対して整数倍となる周波数を持っている音のことを「整数次倍音」といいます。基音は音の基本となる音で、音の中で最も周波数が低いものになりますが、整数次倍音で周波数が倍になると1オクターブ上の音が聞こえるようになり、 声に含まれると明るくパワフルで強い印象の声になります。
共鳴腔を使って作られる整数次倍音を多く含む方の歌声は高域で、聴いている人を心地よくさせるといわれています。浜崎あゆみさん、B’zの稲葉浩志さんなどが整数次倍音の美しい歌声を持つ歌手としてよく知られています。

・非整数次倍音
基音の振動に対して整数倍ではない不規則な周波数を持つ音のことを「非整数次倍音」といいます。ささやき声やハスキーボイス、しゃがれ声といった発声に非整数次倍音が含まれているのが特徴で、喉を潰したような濁った発声にも含まれています。
非整数次倍音を多く含む声は、音程には関わらない息の成分にたくさんの情報が存在するように聞こえ、相手に親しみやすさを感じさせるような魅力があるのが特徴です。波や風の音などの自然音も非整数次倍音にあたります。
宇多田ヒカルさん、桑田佳祐さんなどが非整数次倍音を多く含んだ歌声を持つ歌手としてよく知られています。

倍音を多く出すトレーニングはどんなものがある?

「整数次倍音」と「非整数次倍音」はそれぞれ声の出し方が異なり、どちらも身につけられればより魅力的な歌声へと近づくことができます。ここでは、2つの倍音の仕組みや出し方について解説します。

・整数次倍音と共鳴腔
整数次倍音は、共鳴腔(体内で声が反響する空洞部分)が重要な役割を果たします。声は声帯が振動を起こして生成され、共鳴腔で共鳴することで倍音が生まれ大きくなるのです。
体内には複数の共鳴腔があり、なかでも声帯の上にある「咽頭腔」、口の中にある「口腔」、鼻の空間にある「鼻腔」がボイストレーニングによってコントロールできるようになる部分です。それぞれの共鳴腔で役割が異なります。
整数次倍音を多く出すための歌の練習としては、各共鳴腔に声をおくようなイメージで歌うことが大切です。咽頭腔は軽くあくびをするような感覚で低いトーンで声を出す、口腔は顎をしっかり下に下げるイメージで喉奥が見えるようにして中音のトーンで声を出す、そして鼻腔は口を閉じてハミングするといったトレーニングが行われています。

・非整数次倍音と息の流れ
息の流れによって生まれる「非整数次倍音」は、息を吐きながら発声することで倍音を出す仕組みとなっています。
ボイストレーニングでは声の量と息の量を変化させる「ブレスコントロール」が基本となり、声帯をリラックスさせて、声のコントロールの仕方や息の割合などのバランスをとるトレーニングが主に行われています。

このように理想の歌声を手に入れるには、 ボイストレーニングによって共鳴腔と息を自在に操れるようになることが上達への一歩です。まずは自分が出したい声を練習してみましょう。
またスマートフォンのアプリを使って自分の声に含まれる倍音を調べることができます。声を可視化することで状態を知り、長所や改善点も分かるのでぜひ活用してみてください。

「音浴」にも活用されている倍音の効果

倍音を多く含む音を聞くと、脳波をアルファ波へと導く効果があるといわれています。
アルファ波はゆったり落ち着いているときに出る脳波で、リラクゼーション効果が期待できます。

特に「シンギングボウル」や「クリスタルボウル」と呼ばれる楽器が奏でる倍音は格別に美しいとされており、高いヒーリング効果があるとして、まるでお風呂でお湯に浸かっているかのように音に身を委ねて心身をリラックスさせる「音浴」に活用されています。

倍音は心地よい音を作るためには欠かせない要素の一つとなるので、倍音が多く含まれる歌声は、その魅力的な歌で多くの人の心を落ち着かせて惹き寄せることにもつながるのです。

防音対策で周りを気にせずボイストレーニングができる?

倍音の基礎知識や、倍音を意識したボイストレーニングなどについてご紹介しました。
歌を上達させるためには、声量や音程、リズムといった要素だけでなく、倍音について理解を深めることも大切なポイントになります。

倍音を活かした歌唱法は独学ではなかなかコツを掴むのが難しいものがありますが、ボーカルスクールで専門スタッフによるボイストレーニングが受けられますので、「本格的に歌を上達させたい!」という方はぜひ検討してみてください。
また最近ではオンラインを活用してボイストレーニングを始める方も多く、気軽にできるのでおすすめです。

そして、自宅で歌の練習を行うことを予定している場合に考えておかなければならないのが、周囲への音漏れ・騒音対策です。
現在は様々な防音グッズが販売されていますが、効果が完全でない場合もあるため、「周りを気にせず好きな時にボイストレーニングを行いたい!」という方には本格的な防音対策をおすすめします。壁や床に防音パネルを設置する、専用の防音室や防音ブースを準備するといった選択肢があるので一度検討してみるとよいでしょう。

宮地楽器が提供する吸音・消音性抜群の簡易防音室・防音パネルブランド「VERY-Q(ベリーク)」は、多くのプロミュージシャンや楽器演奏を楽しむ方々に導入していただいている実績を活かし、防音対策の新たな形をご提案しております。
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