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防音ラボColumn

2025.10.27

自宅に小さな睡眠カプセルを! 睡眠の質を向上させる空間作りについて

現代社会では、睡眠不足の方が増加傾向にありますが、睡眠時間だけではなく睡眠の質そのものが低下しているケースが多く見られます。
眠りを妨げる原因には、寝室の環境や生活リズムの乱れ、住宅密集地での生活音のストレスなど、様々なものがあります。

そんな中で近年注目されているのが、「自宅で手軽に睡眠専用空間を作る」という考え方です。従来のようにベッドや布団を置くだけの寝室ではなく、照明、音、温度に配慮した環境を整えると、睡眠の質を大きく高められます。
その中の例の一つが「安眠ドーム」や「睡眠カプセル」と呼ばれる設備の導入です。

今回は、睡眠環境の整え方や安眠ドーム、睡眠カプセルについて解説していきます。

快眠空間の基本! 音、光、温度を整える

睡眠の質を上げるためには良い寝具選びも大切ですが、環境を整えるのも重要です。
人間の脳は五感の刺激に非常に敏感で、音や光、温度といった外的要素がわずかに乱れるだけでも、眠りの深さや睡眠サイクルに影響します。
特に都市部では、車の騒音、隣人の生活音、外灯の光漏れ、エアコンの風など、睡眠を妨げる原因が多く存在します。
しかし、それらを意識的にコントロールできると、入眠までの時間が短くなり、深い睡眠の割合を増やせるのです。

まず、「音」は睡眠の質を大きく左右する最も厄介な要素です。
人間の脳は眠っている間でも音を感知し続けており、車の通過音やテレビの音、上階の足音など、わずかな音でも無意識のストレスとして反応します。
その結果、深い眠りに入れず「浅い睡眠が続く」、「朝起きても疲れが取れない」といった状態を引き起こすのです。

また、「光」は体内時計を調整する最大のシグナルで、朝日を浴びることで脳が覚醒モードに切り替わりますが、逆に夜に光を浴び続けると、脳が「まだ昼だ」と勘違いしてしまう傾向にあります。
特にスマホやPCから出るブルーライトは、眠りを促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑えるとされているため、寝る1時間前には画面を見るのを避けるのが理想です。
部屋全体の照明は、間接照明+暖色系ライトに切り替えましょう。

そして、「温度と湿度」の管理も欠かせません。
人間の体温は眠る直前に下がり始めるため、寝室の温度が高すぎると放熱できず、寝苦しくなります。
逆に低すぎると筋肉が緊張して寝つけなくなるため、最適な室温は20~22℃前後で、湿度は50~60%が理想とされています。

睡眠は、主にこれらの静けさ、暗さ、快適さのバランスで成り立っているのです。

話題の「安眠ドーム」と「睡眠カプセル」とは?

近年、SNSやYouTubeを中心にじわじわと注目を集めているのが「安眠ドーム」や「睡眠カプセル」と呼ばれる睡眠環境グッズです。(以下、安眠ドームで統一します)
元々は、宇宙滞在用のスリープポッド技術を参考にした設計思想から、一般住宅に応用したのが始まりとされています。
日本では、ワンルームや都市部のマンションなど、音、光、空気の管理が難しい空間で生活する人々の間で人気が高まっています。

安眠ドームは、睡眠を妨げる外的刺激をバランスよくカットする構造で、ただ寝る場所を囲うだけでなく、自分だけの静かな世界を作り出すことで心理的な安心感が得られ、上質な睡眠体験を自宅で再現できるのが魅力です。

安眠ドームの具体的なメリットは?

・音を吸収、拡散して静寂な環境を作る
防音対策をしていない一般的な住宅では、隣室の生活音や外の交通音が響きやすいですが、安眠ドームの内部は布素材や吸音構造であるため、音の反響を減らして静けさを作り出せます。
なおかつ完全な無音ではなく、わずかに空気の流れや自分の呼吸音が残るので、人間の脳に安心感を与えやすくなっています。

・光の刺激を遮断し、メラトニン分泌を促す
睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、前述したように光の刺激によって分泌が抑制されます。
明るい環境は入眠を遅らせる要因になりますが、安眠ドームは天井や横からの光を柔らかく拡散、遮光するため、寝る直前の光環境を整える役割を果たします。

・狭い空間が心理的な安心感を生む
囲われた空間にはリラックス効果があります。これはキャンプでテントに入ると落ち着く、図書館の個室で集中できる、といった経験と同じメカニズムです。
ドーム型の構造が周囲の情報を遮断し、余計な思考を抑えて睡眠に入りやすくします。

・温度や湿度が安定しやすくなる
外気の変化を緩やかにし、冷暖房の効きすぎや乾燥を防ぐのも安眠ドームのメリットです。
空間が小さいため、体温と空気のバランスが保たれやすく、冬は暖かく夏は涼しい環境を自然に維持できます。

防音対策で寝る時の静けさを守る

安眠ドームと部屋の防音対策を組み合わせると、より理想的な睡眠環境が実現します。
防音対策というと工事やリフォームを連想するかもしれませんが、簡単にできる方法は数多くあり、費用をかけずに静けさを手に入れることは十分可能です。

・防音材を使用する
壁を伝って響く音は、特に集合住宅で悩まされる要因の一つですが、「防音パネル」や「吸音シート」を壁に貼るだけで、音の反射を抑える効果があります。
素材はウレタンフォームやフェルトが主流で、デザイン性の高いタイプを選べばインテリアとしても違和感がありません。
壁一面ではなく、ベッドの背面や隣室との仕切り部分に限定して貼るだけでも大きな効果を得られます。

・ドアの隙間を防音テープで埋める
ドアの隙間から漏れる音は意外と多く、これを防ぐだけでも静かさは大きく変わります。
防音テープは数百円で購入でき、ドア枠の内側に貼るだけで密閉性が高まります。
ゴム製やウレタン製のものを選ぶと、ドアの開閉もスムーズで使いやすく、ドア下部の隙間にはドラフトストッパーを設置するとより効果的です。

・窓ガラスを二重サッシにする
外の車の通行音や人の話し声に悩まされる場合は、音の侵入口となる窓に二重サッシ(内窓)を取り付けることで、音の遮断効果は改善します。
DIY用の簡易二重窓キットも販売されており、賃貸住宅でも取り外し可能なタイプもあるため導入しやすいでしょう。

・ホワイトノイズで一定の音を流す
完全な静けさは理想的に感じられますが、実際にはわずかな環境音があった方が安心して眠れる人も少なくありません。
このような場合に役立つのが「ホワイトノイズ」です。
ホワイトノイズとは、様々な周波数の音を均等に含み、外からの突発的な物音を和らげる働きを持つ音です。
雨の音や波の音、扇風機の低い風音なども同じ原理で、一定のリズムが心を落ち着かせ、自然に眠りへ導く効果が期待できます。

・集合住宅での実践ポイント
集合住宅では、建物の構造上どうしても音が響きやすい傾向にあるため、音の反響を抑える素材を取り入れることが重要です。
床にカーペットやラグを敷いて床からの反射音を抑えたり、厚手のカーテンを使って窓から入る音を減らしたりするのが効果的です。
さらに、本棚や家具の配置を工夫して壁に密着させると、音の伝達を緩和できます。

・安眠ドームは簡易型の自作も可能
本格的なドームを購入するのが難しい場合でも、DIYで似た空間を再現できます。
方法はシンプルで、ベッドの周囲にカーテンフレームを取り付け、遮光性の高い布や防音性のあるカーテンを吊るすだけで、外部刺激を大幅にカットできるのです。
布地は通気性のあるコットンやリネンを選ぶと良いでしょう。
さらに、照明を間接光に変え、足元に静音タイプの空気清浄機を置けば、立派な自作ドームの完成です。

睡眠を環境設計から見直そう

快眠を手に入れるためには、音、光、温度といった周囲の環境を丁寧に整え、微細な刺激をどれだけ減らせるかがポイントです。
寝る時の静寂は、肉体を休めるだけでなく、精神の回復にもつながります。
眠りの質が変われば、日中に感じた緊張や不安が自然と和らぎ、翌朝の目覚めが軽くなるのを実感できるでしょう。ぜひ落ち着く安眠空間をデザインしてみて下さい。

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