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防音ラボColumn

2026.09.18

防音に関する数値とは? 音に対する数値を知ろう

「音に対する数値」のイラスト

防音について調べていると、「Dr値」「L値」「ΔL等級」「N値」など、さまざまな数値や等級が出てきます。
数字を見れば防音性能が分かるように思えますが、対象となる音の種類や評価する場所がそれぞれ異なるため、単純に比較するのは難しいものです。

そこで今回は、防音に関する代表的な数値の意味や見方を分かりやすく解説します。
防ぎたい音に合った指標を知り、防音対策や製品選びに役立ててみましょう。

防音の基本:音の大きさを表す単位「dB」

音に対する数値でよく目にするのが「dB(デシベル)」という単位です。dBは音の大きさを表す単位で、数値が大きいほど大きな音を示します。
例えば、静かな室内よりも、大きな話し声や電車の走行音の方がdBの値も大きくなります。

目安としては人の通常の会話が40〜60dBほどで、人が音をうるさいと感じるのは個人差がありますが、一般的に70dB以上(騒々しい街頭、蝉の音、昼間の幹線道路周辺から聞こえる音など)です。

音の大きさを知るうえで基本となる単位ですが、dB自体が建物や防音材の性能を示す数値ではありません。
防音性能について調べる際には、Dr値やL値、ΔL等級、N値など、それぞれの目的に応じた指標を確認する必要があります。
まずは「dB=音の大きさを表す単位」と覚えておきましょう。

壁や建物の遮音性能を示す「Dr値(D値)」

部屋で発生する話し声やテレビの音、楽器の演奏音などは、空気を通して伝わります。
こうした音が隣の部屋へどの程度伝わりにくいかを示す数値が「Dr値」です。正式には「Sound Pressure Level Difference」といい、「D値」とも呼ばれています。
音源がある部屋と、隣の部屋の間でどれだけ音が小さくなったかをもとに、壁や建物の遮音性能を示す等級です。

Dr値は「Dr-40」「Dr-50」のように表記され、数字が大きいほど壁やドアの遮音性能が高く、値が小さいほど遮音性能は低いことを表しています。
Dr-40よりDr-50の方が隣の部屋へ音が伝わりにくいという意味で、Dr-50の場合は50dB程度の音を遮ることができます。

90dB程度の音(ピアノの音など)が鳴っているとして、壁を隔てた隣の部屋で音の大きさを測定して40dBだった場合、壁の遮音性能はDr-50ということになります。
しかし、住宅は壁だけでなく、窓や床、天井などからも音が伝わるため、壁やドアの性能が高ければ十分とは限りません。
また、話し声やテレビの音と、機械音や楽器の演奏音では、伝わり方にも違いがあります。
Dr値を見るときは数字だけで判断せず、どのような音を防ぎたいのか、建物のどの部分の性能を示しているのかを正しく把握するのが重要です。

床衝撃音に対する遮音性能を表す「L値」

マンションやアパートで気になる上階からの足音や、物を落としたときの音は「床衝撃音」と呼ばれます。床に加わった衝撃が床や建物を振動させ、下の階へ伝わる音です。この床衝撃音に対する遮音性能を表す指標が「L値(Floor Impact Sound Level)」です。

床衝撃音は、「軽量床衝撃音(Light weight)」と「重量床衝撃音(Heavy weight)」の2種類に分類することができます。
軽量床衝撃音は、スプーンなどの小さな物を落とした音や、椅子を引いたときの音などが代表的で、「LL」で表されます。一方、重量床衝撃音は子どもが走ったり飛び跳ねたりしたときのように、床へ大きな衝撃が加わって発生する音で、「LH」で表されます。
つまり、LLは軽い衝撃による音、LHは大きな衝撃による音を評価する指標です。

L値は「LL-45」「LL-50」、あるいは「LH-45」「LH-50」といった数値が使われ、数字が小さいほど床衝撃音の遮音性能が高いことを示します。Dr値などは数字が大きいほど性能が高いため、違いに注意しましょう。
また、L値は床の構造や床材、建物の構造などによって変わります。

L値とは異なる? 床材や防音製品単体の低減性能を表す「ΔL等級」

足音や物を落とした音などの騒音が下に伝わるのを抑えるため、防音マットや床材を検討する方もいるでしょう。こうした製品の床衝撃音に対する性能を確認するときに参考になるのが「ΔL(デルタエル)等級」です。

ΔLは、床材やマットを使用した際に、床衝撃音をどの程度低減できるかを示す指標です。軽量床衝撃音には「ΔLL」、重量床衝撃音には「ΔLH」が使われ、ΔLLは小さな物を落とした音や椅子を引く音など、ΔLHは子どもが走ったり飛び跳ねたりする音などに関係します。

ΔL等級は、数字が大きいほど床衝撃音の低減性能が高いことを示しています。
例えば「ΔLL-4」と「ΔLL-5」、「ΔLH-2」と「ΔLH-3」をそれぞれ比べた場合、軽量床衝撃音に対する性能はΔLL-5、重量床衝撃音に対してはΔLH-3の方が高いという見方ができます。

なお、ΔL等級と先述のL値は意味が異なるので注意しましょう。L値は床全体の床衝撃音に対する性能を評価するのに対し、ΔL等級は床材やマットといった製品単体による音の低減性能を示すものです。
防音マットや床材を選ぶ際は、等級の数字だけでなく、どの種類の床衝撃音を対象としているのかも確認しましょう。

室内における騒音レベルを示す「N値・NC値」

N値・NCイメージ

防音について考えるときは、外から入ってくる音や隣室へ漏れる音だけでなく、室内にどの程度の騒音があるのかも重要です。
こうした室内の静けさを評価する指標として、「N値(Noise)」や「NC値(Noise Criteria)」があります。

N値は、室内騒音レベルを評価する目的で使われる指標です。「N-20」「N-30」のように表され、基本的に数字が小さいほど静かな環境を示します。室内の空調や換気設備などから発生する音も含めて、どの程度の騒音があるのかを評価する基準です。

NC値も室内騒音レベルを評価するために使われますが、特に空調など騒音の変化が小さく、ほぼ一定とみなされる「定常騒音」に利用されています。

防音室では、壁や窓の遮音性能を高めるだけでなく、エアコンや換気設備といった音にも配慮する必要があります。外からの音を遮る「遮音」と、室内騒音を抑える対策は別に考えるのがポイントです。
N値やNC値は「どれくらい音が漏れないか」ではなく、「室内がどれくらい静かか」を見る数値として覚えておくとよいでしょう。

窓やドアの遮音性能を表す「T値」

住宅の防音性能を考えるときは、壁や床だけでなく窓にも注目する必要があります。
壁の遮音性能が高くても、窓から外の音が入ったり、室内の音が外へ漏れたりする場合があるためです。窓サッシやドアの遮音性能を評価する指標が「T値」です。

窓などの開口部が空気の伝わる音をどの程度遮るかを表す等級であり、「T-1」「T-2」「T-3」「T-4」のように表記されます。数字が大きいほど遮音性能が高いとされ、道路を走る車や電車、屋外の話し声など、外から入ってくる騒音への対策を考える際に参考になります。

窓の防音性能は、ガラスの厚さや種類、サッシの材質や構造によって変わるため、「複層ガラスなら防音も十分」と考えず、窓全体の遮音性能を確認するのがポイントです。また、サッシのすき間や取り付け状態も音の伝わり方に影響します。

外からの騒音が気になる場合は、T値を確認したうえで、窓の交換や内窓の設置などを検討してみましょう。窓は音の出入口になりやすいため、住宅全体の防音を考える際にも重要な部分です。

目的に合った数値を知って、防音対策に活用しよう

自宅で過ごす女性

防音に関する数値は、それぞれ対象となる音や評価する場所が異なります。
数字の大小だけで判断せず、「どのような音を防ぎたいのか」を考えながら、目的に合った指標を確認することが大切です。
防音対策や製品選びの際は、それぞれの数値の意味を理解して、快適な環境づくりに役立ててみてください。

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