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防音ラボColumn

2023.06.15

快適な新居生活を! 新築戸建ての防音対策について

新築の家づくりは、間取り、デザイン、建材の選択など、決定すべき事項は数多くありますが、重要な要素の一つとして「防音対策」が挙げられます。

騒音の問題は隣人とのトラブルとなって人間関係にも影響を及ぼす可能性があり、特に自宅で楽器を演奏したい方や、外部からの騒音に敏感な方にとって防音対策は必要不可欠なものとなります。

そこで今回は、新築の戸建てを建てる際にできる防音対策について解説します。
新築時に防音対策をしっかりと行うことで、快適な生活環境を実現し、騒音によるストレスやトラブルを避けることができます。

戸建てでも防音対策が必要な理由

集合住宅と比べると、戸建て住宅の方が騒音問題は安心ではありますが、家族が立てる生活音や外からの騒音が気になることはあります。
特に木造住宅は構造や壁の薄さなどから、音が外に漏れやすいとされています。
一般的には以下の理由から防音対策を行うことが推奨されます。

・近隣への配慮
自宅からの音漏れが近隣に迷惑をかけることを避けるために防音対策を行います。
特に住宅密集地で生活している場合や、自宅で楽器を演奏する、ホームシアターを楽しむなどの騒音を発生させる恐れがある趣味を持っている場合、防音対策は必須といえるでしょう。

・快適な生活環境の確保
日常的に周りで発生する様々な音(家電の音、歩行音、話し声など)が思った以上に生活の質に影響を及ぼすことがあります。
特に近年はテレワークが急速に普及したことにより、これまでは気にならなかった音がうるさく感じるようになったというケースも増えてきました。
気になる音に防音対策を施すことで、騒音からくるストレスを軽減し自宅で過ごす時間をより快適にすることができます。

・プライバシーの保護
例えばリビングなどの共用部分や、他の部屋からの音が気になる環境では、防音対策を行うことでよりプライベートな空間を確保できます。

戸建て住宅での騒音の原因

戸建て住宅での騒音の原因は様々です。
ここでは、戸建てでよくみられる騒音の主な原因をいくつか挙げていきます。

・家庭内での騒音
家庭内での騒音としては、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの家電製品の稼働音、話し声、テレビや音楽の音、子どもが遊ぶ音、ペットの鳴き声などがあります。

・家の構造からくる騒音
建物の構造が原因で音が響きやすい場合もあります。
例えば、床材が硬いと歩行音が響きやすくなり、壁や天井の防音性が低いと、部屋間や階上・階下への音の伝播が起こりやすくなります。

・外部からの騒音
道路の交通音、近隣の工事音、騒がしい近所の住人からの音などがこれに当たります。

このように、自宅で特に気になりやすい騒音の種類や原因を特定することでより効果的な防音対策を計画することができます。

騒音の種類と防音対策について

騒音は大きく分けて2つの種類に分類されます。「空気伝播音」と「固体伝播音」です。

・空気伝播音
空気伝播音は、空気を介して伝わる音です。
話し声やテレビの音、音楽などがこれに該当し、日常生活では発生しやすい音になります。
特に開放的な空間や壁が薄い場合には、空気音が隣室や隣の家に漏れやすくなります。

・固体伝播音
固体伝播音は固体を介して伝わる音です。
階段を駆け上がる足音や、家具を動かす音、ドアを閉める音などがこれに該当し、特に床や壁などの建築材料が固体音を伝えやすい材質の場合には、隣室や隣の家に漏れやすくなります。

また、工事現場の音や車の音など、空気音と固体音が混ざった音もあります。
洗濯機やエアコンなどの家電製品から発生する音も、空気や壁・床を通じて伝わります。

それぞれの騒音の種類には、適した防音対策があります。
主に自宅で発生する騒音の種類を理解し、適切な防音対策を選ぶことが大切です。

新築一戸建てにおすすめの防音対策

新築一戸建ての家で、防音対策を計画する際には以下の点に注意すると良いでしょう。

・高い防音性を持つ建物構造を選ぶ
建物の構造により全体的な防音性能が大きく異なるため、遮音性能が優れた建築構造の採用がおすすめです。
RC造やSRC造のような鉄筋コンクリートは密度が高く、遮音性能も高いため防音には適しています。
ただし、新築で鉄筋コンクリート造りの家を建てる際には、木造造りに比べると建築費用が上昇しますので、その点には注意が必要です。

もしも木造の家で防音対策を行いたい場合は、防音材を使用する、防音カーペットなどを用いて音の反響を抑制する、家具の配置を工夫するなど、室内での取り組みで対策を実施しましょう。

・部屋の配置を工夫する
新築の段階では部屋の配置を決められるため、工夫することで効果的な防音対策が可能です。
例えば、静かに過ごすようなリビングや寝室を隣の家から遠い位置に設けることや、子供部屋を真上にしないなどの対策が挙げられます。
畳に使われるイグサには吸音性があるため、特に防音対策をしたい部屋は和室にすることもおすすめです。

また、トイレ、浴室、洗濯機の位置は騒音を生む可能性が高いため、これらもリビングや寝室から離し、隣の家との間隔が狭くなる場所に配置しないように注意すると、室内外の騒音問題を予防できます。
もしも配置上、洗濯機が入り口にある場合は、出入り口の防音対策も考えると良いでしょう。

・部分ごとに対策をする
騒音が伝播する原因となる部分ごとに対策を講じることも有効です。
例えば、床、壁、天井は特に部屋内外の音が響きやすく、伝播しやすい部分のため、構造材の選択、厚さなどを考慮することが重要です。
二層構造にすることなどで、外部からの騒音防止と同時に、室内からの騒音も逃がしにくくなります。

・窓を工夫する
窓は大きさと配置に注意することが重要です。
窓の位置をできるだけ隣の家の窓から離すように配置し、お互いの家からの騒音を軽減しましょう。
窓の大きさについては、小さい窓が防音効果を得やすいですが、窓が小さいと自然光が少なくなるため、周囲の環境を見ながら決定しましょう。
また、騒音をさらに減らすためには、二重サッシや防音ガラスの使用もおすすめします。

・気密性と断熱性を強化する
高気密・高断熱の家は、外部からの騒音を気密性の優れた外壁で遮断し、断熱材が吸収するため、防音効果が高まります。
騒音問題が予想される地域であれば、気密性と断熱性の高い家づくりを検討すると良いでしょう。

これらの防音対策をうまく組み合わせることで、自宅での生活をより快適にし、周囲への騒音の影響を最小限に抑えることができます。

防音対策で快適な新居生活を手に入れよう!

戸建てでも家庭内の生活音は意外と外に漏れやすいものです。
そのため、自宅からの音漏れが近隣に迷惑をかけることを防ぐためにも、防音対策は必須といえます。

特に新築の段階では、防音対策を計画的に行うことが可能で、後から改修するよりも効果的な結果を得られます。
新築の家づくりに防音対策を取り入れ、自由に生活を楽しむことができる新しい生活を実現しましょう。

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