音楽で売上・集客アップ? 店舗BGMがもたらす心理効果について
レストランやカフェ、アパレルショップ、スーパーなど、お店に足を運ぶと必ずといっていいほど耳にする「店舗BGM」。
店舗にとってBGMは、看板や内装などと同じくらいお店へのイメージを決定づける重要な要素となりますが、実は購買意欲や回転率のアップにも非常に大きな影響を及ぼすことをご存知でしょうか?
そこで今回は、店舗BGMがもたらす効果について解説いたします。
これからお店をオープンする予定の方はもちろん、どんな音楽を選べばいいかお悩みの方も是非参考にしてみてくださいね。
お店に音楽は必要? 店舗BGMの重要性
店舗BGMは、基本的には「お客さまに居心地のよい空間を提供するため」に流すのが最大の目的となります。
お店のコンセプトや環境によってはBGMを使わないという方もいらっしゃいますが、多くの場合が音楽を流すことでお客さまにポジティブなイメージをもたらすことができるのです。
また、BGMの選曲も重要です。例えば仕事休憩でランチに訪れる方が多いカフェやレストランではリラックスできる音楽を、週末に大勢の人が訪れる場所にはアップテンポな曲など、お店のコンセプトや雰囲気にあわせた選曲によってお客さまの満足度も上がります。
ただ自分が好きな曲を流すのではなく、上手に店舗BGMを運用できれば大きな強みになり、音楽でお店のイメージ向上、売上・集客アップにもつなげることが可能です。
店舗BGMにはどんな心理効果がある?
お店の魅力を最大限に引き出すために視覚で訴えかけるのが看板や内装なら、聴覚で訴えかけるのが店舗BGMですが、具体的には大きく分けて3つの効果をもたらすといわれています。
・マスキング効果
「マスキング効果」とは「覆い隠す・包み込む」という意味で、周波数が近い音を発生させることで片方の音が聞こえにくくなる現象です。
例えば、路上で話しているときにトラックやバイクが通って相手の声が聞こえなくなった、家で家族がドライヤーを使い始めたらテレビの音が聞こえにくくなったという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?
店舗BGMにおいてマスキング効果は、特に飲食店などでは音楽を流すことで周りの会話や厨房から聞こえてくる作業音、周辺を通る車や電車の音といった騒音・雑音を緩和し、お客さまが居心地のよい空間で安心して過ごせるよう活用されています。
また、トイレの使用中に川のせせらぎのようなBGMを発生させる擬音装置もマスキング効果を活用して設置されたものです。
・感情誘導効果
店舗BGMにおける「感情誘導効果」とは、音楽を流すことで人の心を動かし、潜在意識に働きかけてお客さまにとってほしい行動へと誘導することを指します。
具体的には、閉店時によく耳にする「蛍の光」はもうすぐお店が閉まることをお知らせする狙いがあり、飲食店などでゆっくりと過ごしてほしい雰囲気作りにはスローテンポな曲、スーパーなどで購買意欲を高めてショッピングしてもらいたい時には気分を盛り上げるアップテンポな曲がよく選曲されています。
また、飲食店では忙しいランチタイムにあえてアップテンポな曲をかけることで回転率をコントロールする方法としてよく活用されています。
このほかには病院などで不安を和らげるために流れているリラクゼーションBGMも感情誘導効果にあたります。
・イメージ誘導効果
店舗BGMの「イメージ誘導効果」とは、音楽でお店の空間や雰囲気を演出するための選曲を指します。
例えば、明るい場を演出したいときには明るいポップス、オシャレで大人向けの空間にはジャズやクラシック、週末に多くの若者が集まる場にはクラブミュージックなど、店舗BGM以外でもいたるところで多くの方が体感しているといえる効果でしょう。
音楽によるイメージ誘導効果は売上にも大きく影響するほどお店の印象を左右するので、空間・雰囲気に合わせて最適なBGMを選曲する必要があります。
また、例えばインドカレーやタイ料理、フランス料理店などではその国の文化に合わせた音楽を使用するとお店の印象アップにつながります。
一方で、静かに過ごしたい方が多い場では一般的に激しい曲は合わないため、その場にふさわしい選曲を常に心がけましょう。
店舗BGMを選曲する基本的なポイント
店舗BGMの効果を発揮するには、お店の雰囲気や時間帯、季節などに合わせて選曲を変えるのが望ましいです。
ここでは、BGM導入にお悩みの方へ最適な曲を選ぶポイントをご紹介します。
・スローテンポな曲で客単価アップにつながることも
飲食店のディナータイムなどでお客さまがゆったりリラックスできる空間づくりにはスローテンポな曲が最適です。
落ち着ける空間を提供することで滞在時間が伸び、追加注文が増えて客単価アップの施策にもつながります。
BGM以外にも様々な要因が重なるため、どこのお店でも同様の効果が得られるとは限りませんが、反対にアップテンポの曲はお客さまの行動が早くなる傾向がみられ、滞在時間が減ったという記録も残されています。
また、高級感を演出したい場合にも同じくスローテンポな曲がオススメで、なかでもジャズやクラシックなどのジャンルは格式の高いイメージを与えられる傾向があります。
・ランチタイムやセール時にはアップテンポな曲で回転率アップ!
ランチタイムに回転率を上げたいときや、セール中のアパレルショップなど混雑時にもっと多くの方に足を運んでもらいたい場合にはアップテンポな曲が最適です。
スローテンポに比べてアップテンポの曲の方が、お客さまが食べるスピードや行動するスピードを上げる効果が期待できます。
ただし、モーニングタイムには爽やかな時間、ディナータイムにはゆっくりリラックスできる空間をアピールしている場合、昼間に来店したお客さまに「このお店は落ち着かない」というイメージを持たれないように注意して、時間帯・タイミングを見計らって選曲を変えていきましょう。
あくまでもお店の雰囲気やコンセプトに合わせて選ぶのが大切です。
・客層を考慮して選曲するのも効果的
店舗BGMは雰囲気や時間帯だけでなく、客層を考慮して選ぶとより居心地の良い空間が演出できるでしょう。
一例として昼間のお子さま連れが多いときには親しみやすいJPOP、若年層であれば最新のヒット曲、中高年層がメインであれば懐メロなどを選ぶと好意的に受け止められて楽しんで過ごしてもらえる可能性が上がります。
お店に訪れるお客さまの属性に合わせて選曲すれば売り上げアップにつながることも。
また、季節やイベントに合わせたBGMも欠かせませんし、天気にあわせたBGMも用意しておくとよいでしょう。
ただし、あくまで店のイメージやテーマに合わせて選曲することも忘れないよう注意が必要です。
なお、せっかく選曲がよくても音量でお客さまに不快感を与えてしまっては本末転倒です。状況にあわせて調整できるように、お客さまが多いときと少ないときの適切な音量の違いや、音の聞こえ方をチェックしておきましょう。
店舗BGMは戦略的に雰囲気・テーマに合わせた選曲を!
店舗BGMがもたらす効果についてご紹介しました。お店にとって音楽は内装と同じくらい重要な要素であり、人々の行動にも影響を与え集客や売り上げに大きく左右します。
店舗BGMを選ぶポイントは様々ですので、戦略的に雰囲気やテーマに合わせて選曲を決めていきましょう。
また、店舗BGMとして市販のCDや動画サイトなどの音楽を利用するのは著作権の手続きをした上で、使用料を支払う必要がありますので注意してください。
店舗BGMを検討する際は、既に著作権使用料が支払われた上で提供されている「店舗BGMサービス」を活用すると安心ですよ!