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防音ラボColumn

2023.03.20

VRやASMR動画に欠かせない! 立体音響の録音に必要な機材

近年人気のVRやASMR動画の臨場感ある世界観の表現は映像技術だけでなく、「立体音響」と呼ばれる音声技術も重要な役割を果たしています。
360°球体の音場を持つアンビソニック方式や、実際に人が耳でとらえる音、音響効果を盛り込んだバイノーラル録音などがあります。

新しいフォーマットに対応できるように録音スタジオや制作スタジオもその形を変えつつあります。個人で活動されている方も新しい形式を取り入れて仕事を増やしている傾向にあります。
そこで今回は音声収録や動画制作に興味があるという方に向けて、初心者でも気軽に始められるバイノーラル録音に必要な機材などについて分かりやすく解説します。

VRやASMR動画に欠かせない立体音響とは?

VRやASMR動画において「コンテンツに命を吹き込む」といっても過言ではない「立体音響」は、音を再生する際に音源の位置や空間的移動まで感じられるように再生される技術です。

例えば、正面から挨拶をされた場合の音声と、背後から声をかけられた場合の音声の違いや、近づいてくる遠ざかる距離感のある音などの臨場感を体験することが可能になります。

立体音響の仕組みとしては現在主に3つの方式の種類があり、左右2つ以上のスピーカーで音を再生する「ステレオ方式」、音が聴く人を取り囲むように左右だけでなく前後左右から再生する「サラウンド方式」、そして人間が実際に音を聴いた時に感じる音響を再現しようという目的で考えられた「バイノーラル方式」です。

これらの3方式の中でも特にVRやASMR動画に欠かせないのがバイノーラル録音であり、YouTubeやラジオドラマ、音楽や音声CDなどでも幅広く活用されています。

立体音響で表現されるASMRやVR動画の臨場感

「ASMR」(Autonomous Sensory Meridian Response)は直訳すると「自律感覚絶頂反応」という意味です。
聴覚や視覚への刺激によって脳がゾクゾクするような心地よい感覚になる現象を指し、人間が感じる音響を再現するバイノーラル録音による立体音響がきっかけでASMRが登場しました。

主にリラックス効果を目的に制作され、例えば雨音や川のせせらぎといった「自然音」をはじめ、「耳かきの音声」や何か食べているときの「咀嚼音」など幅が広く、立体音響を映像とともに流すことでASMRが得られるといわれています。

そして、VR動画コンテンツの最大の魅力は視聴者がまるでその場にいるかような臨場感です。
物語の世界にいる相手や物に手を伸ばせば届くような、リアルな感覚を得るのにバイノーラル録音による立体音響が重要な要素の一つとなります。

バイノーラル方式での録音に必要となる機材

ここでは、実際に立体音響をバイノーラル方式で録音するのに必要となる機材をご紹介します。

・バイノーラルマイク
バイノーラルマイクは、実際に音声が人の耳に届く過程を再現して録音することができます。通常のマイクと比べると臨場感が高くバイノーラル録音に欠かせないアイテムです。

ステレオ方式の一種であるバイノーラル録音は人間が鼓膜から感じている音響を再現するために、基本的には「ダミーヘッドマイク」と呼ばれる人の頭を模して両耳部分が集音マイクになっている機材を用いて行うことで、まるでその場にいるかのような臨場感ある音が実現できるようになります。

現在は主に上述の擬似頭部の両耳にバイノーラルマイクを埋め込んだ「ダミーヘッド型」、擬似頭部は省略して小型化しつつも同等の集音能力を持つ「3Dio」、そして最も手軽に取り入れられる「イヤホン型」などがあります。

イヤホン型は自分の頭をダミーヘッドに見立てて手軽にバイノーラル音源を録音することができます。
バイノーラルマイクを選ぶ際は、自分のコンテンツの目的・趣旨や予算に応じて必要なものを判断するといいでしょう。

・レコーダー
レコーダーはマイクで拾った音を録音するために必要となる機材です。
簡単なものは、ICレコーダー、ボイスレコーダーなどです。
外部のマイクを使わずともレコーダー本体に優れた音質で録音できるマイク一体型のモデルもありますので、初心者の方はまずはこちらのレコーダーを使用するのがおすすめです。

録音した素材の編集や、エフェクト処理、マスタリング作業を行う場合はソフトウェアで行うのが便利です。コンピュータが必要になります。扱うデータの大きさや容量、編集作業の効率を考え、コンピュータの規模やディスプレイを選ぶ必要があります。

・ダミーヘッド
イヤホン型のバイノーラルマイクを使用して自分の耳に装着する場合は不要ですが、人間の頭を模したダミーヘッドと組み合わせることでよりリアルな録音をすることが可能になります。
また、両耳にマイクがあらかじめ内蔵されたダミーヘッドも販売されています。
特に本格的にASMRを制作したいという方に多く使用されています。

・カメラ
音声だけの扱いであれば必要ありませんが、ASMRやYouTube動画などの制作においてはカメラも視覚的要素に大きく関わりますので、可能な限りこだわるようにするとより臨場感ある動画制作が可能になります。

VTuber配信では、配信者のおしゃべりする顔の動きにあわせて動画内のキャラクターの表情が変わります。顔の動きをキャプチャするのにはカメラが必要になります。カメラと連動する、表情をキャプチャするソフトウェア(アプリ)を使用します。顔の動きと臨場感が加わった音声がリンクされると「コンテンツに命を吹き込む」により近づきます。

このようにバイノーラル録音に必要な機材は手軽に取り入れられるものもあるのですが、ある程度の予算が必要になります。
したがって「すぐにお金はかけられないけど興味がある」という方は、オーディオ編集機能が充実している動画編集ソフトで録音した通常の音声を立体音響化できる方法がありますので、まずはそちらで体験してみるのもおすすめです。

アンビソニックなど立体音響での録音に必要となる機材

・マイク
サラウンドのマルチチャンネルスピーカーの再生と同様に複数のマイクを立て集録する場合に必要です。一つのマイクで集録し編集ソフトで音源の位置づけや位相設定を行う場合もあります。その場合、使用目的や音源の種類によりマイクの周波数特性や指向性を考慮しマイクを選びます。

・VR Mic
1本のマイクに複数のカプセルが搭載されていて360°全方向の音を収録できます。Ambisonic方式の録音に対応しているものが主流です。

これらの他に専用の編集ソフトウェア、再生モニタースピーカー、ミキサー型コントローラーなど、目的やスタイルに合わせて音響システムを構築する必要もあります。

バイノーラル録音を行う環境を整えることも重要

バイノーラル録音を始める際は必要となる機材に加えて、録音する場所の環境も可能な限り整えることをおすすめします。
自宅録音の場合、通常の部屋は音響のことを考えてつくられていないため録音すると余計な残響音などが入ってしまいます。
また、自身が注意していても家族の声・テレビの音声などの生活音や、外からの騒音なども混じってしまう恐れがあり、デリケートなバイノーラル録音には難しい環境です。

そのため音響の環境がよくないという方には、しっかり防音された練習スタジオなどがおすすめですが、今後本格的に音源・動画制作を行うのであれば自宅に「防音ブース」と呼ばれる電話ボックスのような形をした本格的な防音室を導入するのも得策です。
スタジオのレンタルなどと比べると費用はかかるものの、テレワークやWeb会議、趣味で楽器演奏などを行うスペースとしても活用できますので是非検討してみてはいかがでしょうか?

宮地楽器が提供する吸音・消音性抜群の簡易防音室・防音パネルブランド「VERY-Q(ベリーク)」はYouTuberやゲーム実況、楽器演奏などを楽しむ多くの方々に導入していただいている実績を活かし、防音対策の新たな形をご提案しております。
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