トランペットを始めてみよう! 初心者のための基本知識
「トランペット」は華やかで迫力のある音が魅力で、クラシックやポップス、ロック、ジャズなど幅広い音楽ジャンルで活躍している金管楽器のシンボル的存在として知られています。
学生の吹奏楽はもちろん、大人になって始める楽器としても人気が高いですが、トランペットと一口に言っても色々な種類があるため、購入の際に迷う方も多いことでしょう。
そこで今回は、トランペットの魅力や種類など基本知識について分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
管楽器の花形! トランペットとは
「トランペット」は金管楽器の中では最も音域が高く、華やかで突き抜けるような音色が魅力の楽器です。様々な音楽ジャンルで活躍し、メロディやソロパートを担当することも多い「花形楽器」として人気を博しています。
その歴史は古く、数千年前から存在しているといわれる世界最古の楽器の一つとして知られています。元は軍隊の合図や信号の用途で使われていましたが、14世紀ごろから楽器としての活躍が始まり、19世紀ごろにバルブ装置(音程を変える装置)が開発されて現在の形へと変化してきました。
メーカーは、アメリカの楽器メーカー「バック」をはじめ、「ヤマハ」や「シルキー」が有名です。
トランペットは「マウスピース」と呼ばれるパーツに唇を押し当てて、唇の振動を利用して音を出す仕組みとなっており、中央にある3つのピストンを押して音程を変えることができます。
一般的に目にする機会が多いトランペットは上述の「ピストンバルブ」というタイプですが、レバーを操作する「ロータリーバルブ」と呼ばれるタイプもあります。ピストンバルブは華やかで明るい音色、ロータリーバルブは柔らかい音色が出るのが特徴です。
音域や構造の違いによってトランペットは様々な種類があり、なかでも吹奏楽など幅広いジャンルで使用されている「B♭管(ベーかん)トランペット」や、B♭管よりも高い音が出る「C管トランペット」がよく知られています。
トランペットの代表的な種類
ここでは、複数あるトランペットの種類で代表的なものをいくつかご紹介します。
吹奏楽やオーケストラで主流となっているのは「B♭管トランペット」と「C管トランペット」で、作曲者の指示や演奏者の好み、他の楽器との音の合わせやすさによって使い分けされています。
・B♭管トランペット
トランペットのなかで最も一般的に使用されているのが「B♭管トランペット」です。吹奏楽やオーケストラ、ポップスやジャズなど幅広いジャンルで活躍しています。
音色の豊かさやバランスが優れており、ドの音がピアノの「B♭」にあたることから名付けられました。小中学校などでも使用されているので、初心者に最もおすすめなトランペットです。
・C管トランペット
B♭管トランペットの次に演奏者が多い「C管トランペット」は、主にクラシックやオーケストラで使用されています。B♭管よりも管がやや長い形状となっていて、ドの音がピアノの「C」にあたり、より高く明るい音色を出せるのが特徴です。ソロの演奏でも使われることがあります。
・ピッコロトランペット
トランペットの中で最も管が短い「ピッコロトランペット」は、華やかで明るい音色が特徴です。B♭管やC管に比べて1オクターブ上の高音域を表現でき、主にバロック音楽の曲を演奏する際に使用されています。
・コルネット
小学校のブラスバンドなどでも使用されている「コルネット」は、B♭管やC管トランペットよりも少しコンパクトなサイズ感で丸みがあるのが特徴となっており、まろやかで柔らかな音色が出ます。
・フリューゲルホルン
他のトランペットに比べてより温かみのある柔らかい音色が持ち味の「フリューゲルホルン」は、主にジャズで使用されることが多い楽器です。
「ホルン」という名前がついていますがトランペットの仲間です。
このほかにも主に式典などで使用される「トライアンファルトランペット」や低い音が出せる「バストランペット」など、様々な種類があります。
トランペット選びのポイント
ここでは、トランペット選びの基本となるポイントについてご紹介します。
初心者向けにおすすめのタイプもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.材質
トランペットは管の材質によって音色が異なります。
材質には「真ちゅう」と呼ばれる銅と亜鉛の合金が使われており、成分を混ぜる比率によって種類が分けられ、銅の割合が多いものから順にレッドブラス、ゴールドブラス、イエローブラスと呼ばれています。
一般的なトランペットで使われている材質はイエローブラスで、明るくて抜けのよい音が出るのが特徴です。より音にこだわりたいという方には、深みのある音が出せるゴールドブラス、甘いサウンドでジャズなどの演奏に適したレッドブラスもおすすめですが、銅の比率が高くなるぶん価格も上がる傾向にあります。
このほかには「真ちゅう」にニッケルを加えた金属「洋白」のトランペットがあり、深く重厚な音が出せます。
2.塗装
トランペットの表面に施されているラッカー塗装やメッキは、楽器をさびや汚れから守る役割がありますが音色にも微妙な影響を与えています。
代表的な塗装は4種類で、金色で高級感があり力強い音が出せる「ゴールドラッカー」、透明な塗料で落ち着いた音が出せる「クリアラッカー」、そして柔らかくもはっきりとした音が出る「金メッキ」、明るい音で楽器の特性が表れやすい「銀メッキ」があります。
ラッカー塗装は、価格も安く綺麗な状態を保ちやすいところがメリットで、ゴールドラッカーが定番の仕上げ方法となっています。
より好みの音色を追求したい場合にはメッキ仕上げが適していますが、お手入れに手間がかかる傾向にあり、吹き込む際の抵抗感もラッカー塗装に比べてやや強いため、上級者の方におすすめです。
3.ベル
トランペットの先端部分となる「ベル」の製造方法の違いによっても音色や響きに影響を与えます。
ベルは、高度な技術を要し1枚の板をハンマーで叩いて形にしていく「1枚取り」、ラッパ部分と円錐部分を別々の板で形成し、加工が比較的簡単でコストが低めなトランペットに用いられる「2枚取り」の大きく2種類があります。
音色にこだわるならば音の響きがよく多彩な表現ができる1枚取り、初心者向けや手頃なトランペットの購入を検討している方には2枚取りがおすすめです。
このほかには音に明るさや重厚さを加えるために立てられている「支柱」の数や、「ボアサイズ」(息が通る管の太さ)によっても音色が異なります。
楽器の練習場所は防音室がおすすめ?
このようにトランペットの世界は奥が深く、様々な種類があり、材質や塗装、メーカーによっても音が異なります。
トランペットを選ぶときは楽器店に足を運んで試奏させてもらうのが一番です。音色の違いや吹きやすさなど各ポイントをスタッフと相談しながら、自分にぴったりな一本をぜひ探してみてください。
必要なアイテムが一通り揃った入門セットも販売されているので、まずはこちらから始めてみるのもおすすめです。
そして、楽器にチャレンジする時の準備として忘れてはならないのが練習場所の確保です。
音楽スタジオやカラオケボックス、公園や河原といった場所がよく挙げられますが、トランペットの場合はベル部分に「サイレントブラス」という消音器を装着する方法もあるので、上手く活用すれば自宅での練習も可能です。
しかし、消音器の効果も完全ではないため「苦情が心配」という方や、「周囲を気にせず大きな音で演奏したい」という方には自宅に防音室を導入して本格的に防音対策するのもおすすめです。
予算やスペースが必要となりますが、防音室があればスタジオなどを借りる必要もなく、いつでも好きな時に楽器演奏を楽しむことができますよ。
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