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防音ラボColumn

2022.11.28

大きな音に要注意! 騒音性難聴の症状と原因・予防について

主に工事現場や工場、コンサートやライブハウスなど、大きな音にさらされながら仕事をしている方が発症することがある「騒音性難聴」。
別名で「職業性難聴」ともいわれる病気ですが、ヘッドホン・イヤホンを大音量で長時間使用し続けた場合なども発症する恐れがあり、発見が遅れると治療が難しくなる可能性もあるので注意が必要です。

今回は、早期発見・改善のために知っておきたい騒音性難聴の症状や原因、対策について分かりやすく解説します。

騒音性難聴とは?

騒音性難聴は、耳が長期間大きな音にさらされることによって徐々に聴力が低下する病気です。
工事現場や工場、鉄工所や印刷所、パチンコ店やパイロットなど常に騒がしい環境で仕事をしている方が発症しやすい傾向にあるため別名「職業性難聴」とも呼ばれ、一定の基準を満たすと労災認定を受けることができる「職業性疫病」に指定されています。

日頃から騒がしい環境で働く方が特に注意しなければならないのが、大きな音に慣れてしまって騒音性難聴の発症に気づかないまま慢性化する危険がある点です。
発見が遅れると治療が難しくなってしまう恐れがあるので、職業柄大きな音を避けるのが難しい場合は耳栓を使用するなどといった予防が重要になります。
また、上述の職業のように仕事場が騒音にさらされている環境なのであれば、個人の予防だけでなく企業側も従業員の健康管理の一環として対策を考えなければなりません。

そして、騒音性難聴は「職業性難聴」のほかに、コンサートやライブハウスなどで大音響にさらされたり、ヘッドホンやイヤホンなどで大きな音を聴き続けたりすることによって起こる「音響性難聴」があります。
趣味でよくコンサートなどに行かれる方や、長いあいだ大音量で音楽を聴き続けていることが多いという方も騒音性難聴を発症する可能性がありますので、日頃から十分注意してください。

初期は自覚しにくい? 騒音性難聴の症状

騒音性難聴は時間とともに徐々に聴力が低下していくため、初期の段階では発症している自覚がないケースがほとんどで、日常生活にも大きな支障がありません。
そのため最初は気づかぬまま徐々に症状が進行し、やがて耳鳴りが起こったり、高音域の音が聴き取りづらくなったりするなど次第に生活に支障が出てきます。
基本的には片側だけでなく両方の耳に症状が出ます。
初期段階は周波数4,000Hz(ヘルツ)領域の高音域が聴き取りにくくなるという特徴があり、時間とともにさらに聴力が低下していきます。

なかには、早い段階で体温計などの「ピピッ」という高い電子音が聴き取りにくいことに気付いて医療機関を受診するケースもありますが、騒音性難聴患者の一部に限られます。
また、こうした聴力の低下を自覚しても加齢が原因と考える方が多く、受診が遅れることも少なくありません。

そして、症状が進行して悪化すると日常会話で相手の声が聴き取りづらくなる恐れがあり、重度の難聴になると耳元で大きな声で話しかけなければならないほどになってしまうこともあります。
家族や職場の方に話しかけられても気づかないことが増えてから初めて難聴を疑い、医療機関を受診するというケースが多いので、少しでも聴こえ方に違和感を覚えたら放置せず早めに受診することが大切です。

騒音性難聴が起こる原因は?

騒音性難聴が起こる原因は、目には見えないほど耳の奥にあるかたつむりのような形をした「蝸牛」(かぎゅう)という器官が関係しています。
蝸牛にはリンパ液が入っており、外部からの音が空気の振動として液体へと伝わります。
そして空気の振動がリンパ液の振動へと変化し、蝸牛の中にある髪の毛のような突起物を有する「有毛細胞」という部分がその揺れを感知し、振動を電気信号に変換し脳に伝達して、最終的に「音」として認識させる非常に重要な役割を果たしています。

しかし、日頃から騒がしい環境で継続的に大きな音が耳に入り続けると、有毛細胞がダメージを受けてしまって徐々に本来の役目を果たせなくなり騒音性難聴を引き起こします。
ダメージを受けた有毛細胞は二度と再生できず、数を減らして徐々に聴力が低下してしまい、やがて耳鳴りや会話で相手の声が聴き取りづらくなるといった症状につながります。

また、騒音性難聴は一般的に85dB(デシベル)(窓を開けた時の地下鉄の車内の音や、直近で聴く救急車のサイレンなどが目安)以上の騒音に8時間さらされる状態が5~15年ほど続くと発症する危険が高まるといわれています。長時間にわたるヘッドホンやイヤホンの使用も同様です。
ただし、同じ環境であっても全員が発症するというわけではなく、どの段階で聴こえ方に違和感を感じるのかという点にも個人差があります。

騒音性難聴を防ぐポイント

騒音性難聴は耳の有毛細胞がダメージを受けてしまうと有効な治療方法がないため、まずは適切な予防と、症状が進むのを防ぐ対策がなにより重要となります。

・耳栓やイヤーマフを使用する
騒音の多い場所はできるだけ避けるのが望ましいですが、職業柄どうしても大きな音にさらされる環境で仕事をしている方は、「耳栓」を使用して大きな音から少しでも耳を保護しましょう。
耳栓は使い捨てで衛生的に使用できるウレタン製や、弾力性のあるゴム製、プラスチック製などがありますので使いやすいものを選びましょう。
ヘッドホンのような形状の「イヤーマフ」もオススメです。騒音のレベルに応じて機能を調整できるものもあるので便利です。

ただし、これらのアイテムを使う際は周りのスタッフや現場責任者の方に必ず確認してから導入してください。音を遮断していると場合によっては危険な状況に気付けないというリスクが高まる恐れがあります。
また、なるべく騒音の多い場所から離れられるときは離れるようにして静かな環境で耳を休ませるように心がけましょう。

・定期的な聴力検査や環境改善
騒音性難聴は、日頃大きな音にさらされながら仕事をしている方が発症する恐れがある病気ですので、聴力検査を定期的に実施することが大切です。
騒音性難聴に対する理解を深めて、騒音が発生する場所での就労時間の短縮化や、大きな音にさらされる環境を少しでも改善するといった取り組みも重要になります。

・大音量・長時間の音楽鑑賞は避けて規則正しい生活を
騒音性難聴の原因の一つとして、ヘッドホン・イヤホンなどを大音量で長時間使用し続けて起こる「音響性難聴」がありますが、予防策としては日頃から音量や時間には気をつけて使用しましょう。
電車通勤などで音楽をよく聴いているという方が騒音性難聴になったというケースも報告されているので注意が必要です。
また、騒音性難聴は日頃の疲労やストレス、睡眠不足などが原因で発症する場合もありますので、規則正しい生活や適度な運動などを心がけましょう。

騒音対策の専門業者に依頼して職場環境の整備を!

騒音性難聴は耳がダメージを受けて一度発症してしまうと有効な治療が難しい病気です。だからこそ、日頃から予防を目的とした環境づくりが重視されます。

一般的に85dB以上の騒音に8時間さらされる状態が長期間続くと発症する危険が高まるといわれており、大きな音の問題を抱えることが多い工場や作業現場などでは、近隣への騒音対策だけでなく従業員の職場環境の整備が行われています。
職場環境の音圧レベルは騒音測定で明らかにすることができますので、トラブルを防ぐためにも騒音の専門業者に依頼して、必要に応じて本格的な防音対策に取り組みましょう。

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