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防音ラボColumn

2023.02.20

臨場感ある表現が可能に! 立体音響の仕組みやメリットとは

近年、「立体音響」という言葉を巷でよく耳にするようになったけれど、どういうものなのかよくご存知ないという方も多いのではないでしょうか?
立体音響はその名のとおり音が立体的に聴こえてくるというものであり、昨今急速に普及している「VR」(バーチャルリアリティ)の動画やゲームなどの臨場感ある世界観の表現に欠かせない技術の一つとして確立されています。

今回は、立体音響の仕組みやメリット、活用されている場所・シーンなどについて解説いたします。

立体音響とは?

「立体音響」は音が立体的に聴こえるように音源を作り出す技術であり、まるでその場にいるかのような臨場感あるリアルな演出が可能になります。
「3次元音響」又は「3Dオーディオ」とも呼ばれ、音源の位置や空間的移動まで感じられるように再生されるシステムとなっています。

例えば、動画やゲームなどで飛行機や車がこちらへ近づいてくるシーンがあった場合、近づくにつれて飛行音・走行音も大きく聴こえるようになり、距離が最も近くなる瞬間は音も最も大きな音で聴こえて、そして遠ざかっていくにつれて小さくなっていくという体験を立体音響で表現できるようになるのです。

立体音響の仕組み

立体音響の仕組みとしては主に以下のような方式の種類があります。

・ステレオ方式
ステレオ方式は左右2つのスピーカーで音を再生する方法です。
最も古い立体音響方式であり、左右の耳から入ってくる音の大きさや位置などから音源の方向を理解するという人間の聴覚のメカニズムを利用しています。

なお、ステレオと比較されることも多いモノラル方式は「mono」=「単一」という意味が指すとおり1つのスピーカーで再生する方法です。
ステレオに比べると音を立体的に捉えられず平面的ですが、アナログレコードなどではあえてモノラル音源を楽しむという方もいらっしゃいます。

・サラウンド方式
サラウンド方式は、ステレオ方式が2つ以上のスピーカーを使って左右から音が聴こえるように再生するのに対して、「surround」=「取り囲む」という意味のとおり音が聴く人を取り囲むように左右だけでなく前後左右から再生される方法です。

「5.1ch」や「7.1ch」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
これはサラウンドシステムの規格のことで使用されるスピーカーの数を指しており、5.1chは「5つのスピーカーと1つのサブウーファー」、7.1chは「7つのスピーカーと1つのサブウーファー」ということになります。

・バイノーラル録音
バイノーラル録音は、人間が実際に音を聴いた時に感じる音響を録音し、臨場感ある音源を再現しようという目的で考えられた方法です。
バイノーラル録音はステレオ方式の一種であり、普段人間が鼓膜からダイレクトに感じている音を再現するために、「ダミーヘッドマイク」と呼ばれる人の頭部を模して両耳部分にあたる箇所が集音マイクとなっている機材で録音を行います。

この方法で録音することで私たちが日常的に聴こえているように、前後左右360度から音が聴こえるようになります。
例えば、飛行機や車がこちらへ近づいてくるにつれて大きくなる飛行音・走行音、そして遠ざかっていくにつれて小さくなっていく音などもまるでその場所で直接聴いているかのような臨場感を表現することができるのです。

立体音響が活用されている場所・シーン

ここでは、立体音響がよく使用されている場所・シーンをご紹介します。
立体音響の主なメリットは、その場にいるかのようなリアルで臨場感ある音によって視聴者を引き込み、より没入感ある演出が可能になるという点です。
立体音響は私たちの身近なところでも活用されており、一般的に体験することが可能ですのでぜひ「音」に注目してみてください。

・映画館
立体音響を体験できる最も身近な場所の一つが映画館です。
複数のスピーカーを使用するサラウンド方式が採用されており、物語の世界に飛び込んだような臨場感を再現しています。
また、映画館によって独自の音響システムを導入しているところも増えており、代表的なところでは「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)、「VIVE AUDIO」(ヴィヴ・オーディオ)、「DTS:X」(ディーティーエス)などが挙げられます。

・ゲーム
VRゲームでもより臨場感ある世界観を表現するために立体音響が取り入れられています。
まるでプレイヤーがその場にいるかのように、キャラクターが走る、戦うなどといった動作によって変化する周りの音をリアルに感じることができ、より熱中できる没入感を体験できます。
立体音響を採用した家庭用ゲーム機のソフトも増えており、ご自宅で気軽に迫力の体験が楽しめます。

・動画
最近ではVR動画をはじめ、YouTubeなどの身近な動画コンテンツでも立体音響が採用されていることが増えています。
スマホやパソコンから手軽に楽しむことができ、映像の中に立っているかのようなリアルな音響で平均視聴時間の増加などが見込める効果にもつながります。
昨今の急速な動画コンテンツ拡大に伴い、立体音響が今後より身近な技術として浸透していくことでしょう。

・ASMR
ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)とは、直訳すると「自律感覚絶頂反応」という意味で、人の聴覚や視覚への刺激によって感じる心地よい、脳がゾクゾクするような反応・感覚のことを指します。
昨今は主にリラックス効果を目的として、心地よい脳への快感を楽しむための音声や映像を使ったコンテンツが増加しており、立体音響も活用されて注目を集めています。

ASMR動画には様々な種類があり、例えば食べているときの「咀嚼音」やスライムを切ったりこねたりする音、キーボードなどをタッピングする音、雨音や川のせせらぎといった「自然音」などがあります。
また、アニメキャラクターやVtuberなど現実には存在しない人物が話しかけてくる感覚が楽しめる音声作品も人気です。

最近はバイノーラルイヤホンが人気?

様々なタイプのイヤホンが販売されている昨今、立体的なサウンドが楽しめると人気を博しているのが「バイノーラルイヤホン」です。

通常のイヤホンでも音質にこだわった商品は数多く販売されていますが、バイノーラルイヤホンの場合は強い臨場感が再現・体験できるイヤホンで、音楽だけでなくASMRなどの動画や映画、VRゲームなどで使用するとまるで作品の世界に入り込んだような感覚がより楽しめます。

さらに、バイノーラルイヤホンは音を聴くだけでなく先述の「バイノーラル録音」を行うことができます。
マイク付きのバイノーラルイヤホンや別途の専用マイクなどの機器を購入する必要がありますが、録音で使われる高価な「ダミーヘッドマイク」を用いることなく自分の頭をダミーヘッドに見立てて手軽にバイノーラル音源を作成し、動画の投稿や配信に活用することができるのです。

なおバイノーラルイヤホンも他のイヤホンと同様に、有線・無線、形状・機能で様々な種類がありますので自分に適したタイプを選んで、臨場感を追求した立体的なサウンドをお楽しみください。

立体音響の迫力と興奮を体験してみよう!

立体音響の仕組みやメリット、活用されている場所・シーンなどについてご紹介しました。
映画館をはじめ人気のVRゲームや動画、ASMRなど立体音響は身近なところでも活用されているので、改めて「音」に耳をかけてみると何か新しい発見や興奮が体験できるかもしれません。
また、「バイノーラルイヤホン」など、次世代音響のスタンダードともいえる立体音響を楽しむための商品は今後さらなる盛り上がりを見せることが予想されますので、興味のある方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

防音ラボでは今後「立体音響」について様々なテーマを取り上げていく予定ですので、ぜひチェックしてみてください!

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What is VERY-Q?

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