サーバールームとは? オフィスに設置する際の基礎知識と騒音対策
現代社会において、あらゆる業種・業態で安心安全に仕事を進めていくために必須となるネット環境の整備。
大企業のオフィスでは「サーバールーム」を設置することが一般的ですが、中小企業においても約半数が設置しているといわれています。
一方で、サーバールームという言葉は知っているけれど、具体的にどんな役割を果たしているのかについては実はよく知らないという方もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は、将来的にサーバールーム新設を考えている、オフィス移転先で新たに設置するという企業の方に向けて、基礎知識や設置のポイント、騒音対策について分かりやすく解説します。
よく耳にする「サーバールーム」とは?
サーバールームは、社内や組織内で使用されている重要なデータを保管する「サーバーパソコン」設置を目的とした部屋です。
サーバー(server)とは、「提供する側」という意味を持つ単語で、企業においては日々の事業活動で蓄積されるデータの保管、情報処理、他のコンピューターに情報やサービスを提供するといった様々な役割を担っています。
サーバーを設置することで、社内でデータを一括で管理して共有でき、仕事の効率化にもつながります。
サーバーパソコンは個人用に通常使われるパソコンとは異なり、企業サーバー向けの大型で高性能な専用機種がよく使用されます。
中小企業などではサーバールームを設けず、オフィスの一角に置いているケースも見られますが、将来的には事業拡大に向けてデータ管理もより厳重に行わなければなりません。
サーバーパソコンには企業の命ともいえる重要なデータや設定が保管されているので、何らかのトラブルで停止してしまうと業務に支障が出る可能性があり、情報漏洩など会社の信用や利益に大きなダメージを与える恐れがあります。
そのため、セキュリティ対策などは十分に配慮してサーバーの保守運用を行う必要があります。
サーバールーム設置で考慮すべきポイントの基本
サーバールームに限らずオフィスにエリアを設けるときは、目的に合わせてベストな配置を決めなければなりません。
「ゾーイング」と呼ばれる、空間を用途や目的に分けて最適な環境を考える過程です。
例えば休憩室ではスタッフがリラックスできる、作業部屋では集中しやすい環境で部外者が入室できない、会議室では周囲に内容が漏れないように対策するなど、使用目的によって適した環境が異なります。
・セキュリティと運用のしやすさを考慮する
サーバールームを設置する際に重要となるポイントは、主にセキュリティ面と運用のしやすさが挙げられます。
一般的なオフィスの部屋やスペースと同じように捉えていると大きなトラブルにつながる可能性がありますので、セキュリティレベルを高く設定して部屋を構築していきましょう。
具体的には、外部の人間が近づけない配置に部屋を設け、監視カメラを設置して入退室を管理し、社内の人間であっても誰でも簡単に入れないように義務付けることなどがまず重要となります。
また、書類などサーバールームに必要ないものは、サーバーを傷つけたり火災リスクを高めたりする原因につながる恐れがありますので、極力置かないように注意しましょう。
万が一自然災害が発生したときに影響を受けにくい場所を選ぶことも大切です。
・空調設備にも注意を
サーバールームを設置する場合、特に注意すべきポイントが「空調」です。
サーバーパソコンは常に動いているため機器が熱を発しやすく、思わぬトラブルにつながることがあります。
熱がこもって高熱状態が続くのを避けるには、常に室内を適切な温度に維持できるよう設置しなければなりません。
具体的には27度以下に保ち、サーバーが発熱する部分を冷却できる環境にするといった準備が必要です。
また、なるべく熱がこもらないようにサーバーの設置場所にも配慮する必要があります。
このほかにも、サーバールームを設置して運用するためには様々な基準が設けられています。
実際に運用する際はセキュリティ面をはじめ十分に安全を考慮して、サーバーに直接関わらないスタッフも含め全ての従業員に理解を深めてもらえるよう努めましょう。
限られたスペースでサーバールームを設置するコツ
ここでは、限られたスペースをサーバールームにしなければならない場合、スムーズに対応するためのコツをご紹介します。
・タワー型サーバーをラック型に変える
限られたスペースでサーバールームを設置するには、「タワー型サーバー」をラック型に変えるという方法があります。
タワー型サーバーはデスクトップ型のパソコンと同じく、平置きでそのまま設置して保管しますが、縦の空間が使いづらく台数が増えれば増えるほど広めの空間を確保しなければなりません。
一方、ラック型サーバーは箱型のサーバーを複数積み上げて保管することができ、縦の空間を使えるのでスペースを有効活用することができます。
・なるべく最新型でスリムなタイプを選ぶ
サーバーを選ぶときはなるべくスリムなタイプにするのがおすすめです。
様々な種類があるので、同じメーカーでも大きさや厚みなどがそれぞれ異なります。
大きさ・厚みがわずかに違うだけでも、台数が多くなるほど小さな差が大きな違いとなりますので、できるだけスリムなタイプを選びましょう。
また、最新のサーバーパソコンであれば、過去のモデル数台分を1台にまとめられる可能性もありますので、なるべく新しいモデルを選んで限られたスペースを活用しましょう。
・パーティションで区切ってスペースを確保する
サーバールーム設置を検討する際、オフィス規模によっては一室丸ごと確保することが難しい場合も考えられます。
そのようなときには、オフィスの一角を区切って使用することとなりますが、ただサーバーパソコンを置くのではなく「パーティション」を使って間を仕切り、別の部屋としてスペースを確保するとよいでしょう。
ただし、サーバーを設置する場所やオフィス環境によっては、業務スペースとの距離が近いとパーティションで区切るだけではサーバーの音がうるさいと感じる場合があります。
そのため、専用のサーバールームが用意できない場合は業務スペースからはなるべく離れたところに設置するようにしてください。
また、吸音性のあるパーティションを導入することで、騒音を軽減させる方法もあります。
サーバールーム設置の際は騒音対策も検討を
サーバーを設置するときに注意しなければならないのが、「騒音」です。
サーバーが発する騒音レベルは意外にも大きく、その音の大きさは走行中の自動車内の音や、洗濯機の音などに相当する60db(デシベル)以上に達するといわれています。
一般的に人間がうるさいと感じるようになる騒音レベルが50db以上といわれていますので、サーバールームが防音仕様になっていないと騒音が業務の妨げとなり、大きなストレスにつながる可能性がありますので注意が必要です。
騒音対策には防音グッズの活用など様々な方法がありますが、サーバールームの場合は簡易防音室の導入や、部屋の壁を防音仕様にするといった方法で大きな効果が得られることが期待できます。
将来的にサーバールーム新設を考えているという方は、防音設備についても是非検討してみてはいかがでしょうか。
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